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「吉崎誠二のデータで読み解く 住宅・不動産市況の裏側」

日本中が「空き家」に埋め尽くされ始めた…40年前建設ラッシュの住居が一斉に寿命切れ

文=吉崎誠二/不動産エコノミスト、社団法人住宅・不動産総合研究所理事長
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 民間シンクタンクの予想では、次回調査(18年)からは、割合・実数とも大きく増えるとの予想がされていますが、少なくとも近年(ここ15~20年)の増加については、空き家増加の大きな要因は、先に述べたような「その他の住宅」の空き家が増えたことです。

 一部メディアでは、「節税や投資のため等で賃貸住宅が建てられすぎだから空き家が増えている」「どんどん新築住宅が建てられているから空き家が増えている」などと報道されていますが、それを全否定するつもりはありませんが、データを見る限りでは主要因ではないようです。

では、空き家が増えている要因は何か?

 それでは、空き家が増えてきた一番の要因はなんでしょうか?

 それは、使わなくなった住宅が、そのままにされていることが原因だと考えられます。日本では新築が人気で中古物件は新築に比べてあまり人気がないことや、税制度の問題、解体費用の問題、などがその理由でしょう。

 確かに、新築住宅、新築の賃貸住宅は、09年までは年間100万戸を超えており、それ以降は減りましたが、88万戸~98万戸のペースで建てられています。しかし、1970年代からずっと100万戸以上建てられていた頃からすれば、だいぶん減っています。
 
 しかし、使わなくなった家を、「売却する」「貸す」「他の用途に使う」などして、処分しなければ、今後ますます「空き家」が増えると思われます。たとえば地方に住む両親がなんらかの理由(死亡、老人ホーム・介護施設への入所等)で使わなくなった実家では、ご子息の方が使えばいいのですが、ご子息が都市部で住居を構えて、実家に戻らないとすると、その家をどうするかという問題が出てきます。

「使わなくなった住宅」をどうするかは、主に3つの対応策があります。

(1)売却する
(2)(リフォームなどして)住宅として誰かに貸す
(3)他の利用方法で貸す(飲食店、公的な施設)

(2)(3)のパターンでは空き家対策のNPOや行政機関などがこうしたことを斡旋してくれます。しかしまだ、それほど広く知られていないようです。

 なぜ、「使わなくなった住宅が、そのままにされている」のでしょうか?

 理由は、大きく3つあると思われます。

 1つ目は、「使われなくなった住宅」が市場性のない場所にあることです。

 地方では、人口減少が進んでいます。市街地中心部では、建て替えが進んだり、再開発が進んだり、その場所に大きなマンションが建ったりしていますが、地方都市の郊外などでは、「売却しよう」としても買い手が付きません。また、何か特徴的な要因(観光地に近い、行政が誘致に積極的など)がないと、都会からのIターンでの借り手もつきません。

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