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増田美加「医療と賢くつき合うための患者力」

乳がんのマンモ検診、半分以上の女性が「がん」が見つからない高濃度乳房の可能性

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 そのため、厚労省は「2割の自治体が動いているということは決して少ない数字ではない。見過ごすことはできない」と述べ、適切な通知法の検討を始める方針を打ち出しました。専門家も「国としてなんらかの提言をまとめる必要がある」と強調しています。

 一方で、川崎市で行った調査で、高濃度乳房を含む自分の乳房のタイプについて、乳がん検診を受診した人の86%が「知りたい」と言っています。

今の乳がん検診では結果が異常なしでも、本当かどうかわからない

 私も経験しましたが、がん告知はつらいです。でも、もし乳がん検診を定期的に受けていたのに、高濃度乳房であることを知らされずに、「異常なし」と検診結果を毎回受け取っていたら。そしてあるとき、進行した乳がんで見つかったら。このような制度の不備で、乳がんの発見が遅れたとなれば、患者は後悔と医療不信が増します。信頼して治療を受けることができなくなります。

 私の周りにも、マンモグラフィ検診を受け、「異常なし」だったのに、あるとき進行がんで見つかった女性が何人もいます。日本乳癌学会も「マンモグラフィで乳腺濃度が高い(高濃度乳房の)人は、低い(脂肪性乳房の)人と比較して、乳がん発症リスクが高いことは確実」としています。

 どんな検診も100%ではありません。現状では、乳がん検診を受けた受診者は、検診結果が「異常なし」でも、“自分で”高濃度乳房かどうかを問い合わせ、もしそうなら超音波などの検査を“自分で”組み合わせる方法が考えられます。

 先日の日本乳癌学会でも、「高濃度乳房の女性だけをマンモグラフィのみのグループとマンモグラフィ+超音波併用のグループで比較したところ、がん発見率はマンモのみが0.37%だったのに対し、超音波併用では0.71%と約2倍」だったという発表がありました。

 また、「がんの人をがんと正しく判断できた割合(感度)も、マンモのみでは59%だったのに比べ、超音波を加えると96%に」上がったと発表。高濃度乳房では、マンモグラフィの弱点を、超音波検査を加えることで補えることが明らかになっています。

乳がん検診を受けても早期発見できず、進行がんで見つかる人が

 一方、米国では高濃度乳房の女性は約4割ですが、マンモ検診受診者に高濃度乳房であることを告知している州は41州。うち約30州で告知義務を怠ると罰則を受ける法整備が整ってきています(17年現在)。

 これは、マンモグラフィ検診を受けていたのに、高濃度乳房のために乳がんの発見が遅れて、進行がんに進んでしまった患者さんたちの活動が政策に反映された結果です。

 私は、乳がんの取材や啓発活動を行うなかで、日本でも定期的に乳がん検診を受けていたにもかかわらず、早期発見ができず、進行がんで見つかったと悲しむ女性たちとあちこちで出会うようになりました。

 今の検診が絶対ではないことを、検診を受ける女性たちに伝えなければなりません。国や専門家に女性たちの声を反映してもらわなければ、と活動しています
(文=増田美加/医療ジャーナリスト)

●増田美加/医療ジャーナリスト
30年以上にわたって2000名以上の医師を取材。予防医療の視点からヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。公式ホームページ

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