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住みたい街、あの川崎が吉祥寺を逆転間近?足立区・北区等「東側諸国」も人気上昇

文=小川裕夫/フリーランスライター
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 ところが当時は状況が違った。多くの自治体はシティプロモーションに取り組んでいなかった。まして、首都圏に近い川崎市のような自治体がシティプロモーションに取り組むなどとは誰も考えていなかった。前出の職員とは別の部署で働く職員は言う。

「当時、市役所内でも『シティプロモーションって何をしたらいいんだろう?』といった具合で、みんな手探り状態でした。なかには、『観光PRならまだしも、自治体PRで人口が増えるの?』というような懐疑的な意見もありました」

 当時は政府主導によって市町村合併が進められており、新しい市町村が次々と誕生していた。合併によって生まれ故郷に対する愛着が薄れてきているという声もあり、それらが引き金となって自分たちの街を見直そうという機運は高まっていた。川崎市が始めたシティプロモーションは先駆的な取り組みとなった。その結果、川崎市のイメージアップ・ブランドは向上していく。

 同時期、川崎駅や武蔵小杉駅の周辺に立地していた工場群が移転。跡地がタワーマンションとして生まれ変わったことで新住民が流入してくるようになった。

「今般、川崎市の人口増・成長を牽引しているのは再開発が著しい武蔵小杉駅とその周辺エリアだといわれます。10年に横須賀線の武蔵小杉駅が開業して都心部へのアクセスが向上したこと、また周辺が再開発されたことでタワーマンションが林立したことなどが注目されている背景です。また、テレビや住宅雑誌などではあまり取り上げられないのですが、新百合ヶ丘駅を中心とした麻生区の存在も見逃せません。麻生区は東京23区や横浜市をはじめとした他市町村から引っ越してくる人が多いのが特徴です。麻生区は、まさに川崎のイメージアップが結実したエリアといえるかもしれません」(前出・川崎市職員)
 
 20年以降、急速に人口減少が進むとされる日本。しかし、一時期は不人気だった川崎市のような都市が巻き返す現象も起き始めている。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)

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