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『黒革の手帖』、高嶋政伸の「気持ち悪い」怪演しか印象に残らず…武井咲いないも同然状態

文=美神サチコ/コラムニスト
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1707_kuro550.jpg『黒革の手帖』公式サイトより

 連続テレビドラマ『黒革の手帖』(テレビ朝日系)が、10日に第4話が放送された。平均視聴率は10.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前週から0.2ポイントの微減でなんとか2ケタ台をキープとなった。主演・武井咲が“悪女役”に挑むとして話題の作品だが、第4話は悪い女の本領発揮……と思いきや、共演者・高嶋政伸の見事な“変態役”にすべて持って行かれた印象だ。

 武井演じる原口元子は、勤めていた銀行から横領した金で、高級クラブ「カルネ」をオープン。“銀座で一番若いママ”となったが、彼女の野望は、最終的には“銀座で一番のママ”に上り詰めること。銀座の最高峰クラブ「ルダン」が売りに出されると聞き、元子はなんとしても手に入れたいと考えていた。

 そんな元子にしつこく言い寄っていたのは、大手予備校の理事長・橋田常雄(高嶋)。それとなくかわしていた元子だが、ある日、橋田が政財界のフィクサー・長谷川庄治(伊東四朗)から料亭「梅村」を買い取る話を持ち掛けられていると知る。そこで、元子は橋田が買った「梅村」を奪って転売し、「ルダン」を手に入れる計画を立てた。

 悪女・元子の犠牲となったのは、彼女を慕って「カルネ」のホステスになった島崎すみ江(内藤理沙)だった。橋田に誘われていたホテルにすみ江を向かわせ、隙を見て橋田の“裏口入学斡旋者リスト”を奪いとらせるのだが、この“隙”というのは、橋田がシャワーを浴びている間……。つまり、すみ江は元子の計画のために、橋田の生贄になったのだ。

 これまでは、違法なことをしている男たちから金を巻き上げていた元子。第2話では銀行の同僚・山田波子(仲里依紗)に“制裁”を与えていたものの、これは波子が銀座のルールを無視しまくったから。しかし、すみ江は今のところ特に悪さはしていないばかりか、元子を信頼していた。そんなすみ江を、元子は橋田に差し出してしまう。ここで「元子の悪女っぷりが本領発揮!」という反応を演出・脚本家は期待したことだろう。

 だが、残念ながら今回視聴者の話題をかっさらったのは、元子ではなく橋田。橋田は元子に好意を寄せつつ、元子が気にかけている安島富夫(江口洋介)に嫉妬したり、なかなか自分になびかない元子にイラついたりする“執着心剥き出し男”。また、「真実の愛が欲しい! 真実の愛が欲しい!」と繰り返しながら、無理やり元子に襲い掛かるシーンは大変気持ち悪かった。高嶋は気持ち悪い男を演じさせたらピカイチで、自然かつインパクトのある演技には「さすが」と感心させられた。

 その後、逃げ出した元子を追って廊下に飛び出した橋田が、その長谷川と鉢合わせてしまいフリーズ。ベルトを外していたズボンを床に落とす場面などは、『黒革の手帖』には相応しくないコミカルなシーンとなったが、ただ気持ちの悪い男は見ていてもゲンナリするだけなので、高嶋を生かしたちょうど良い“抜け感”だと思えた。ただ気持ち悪いだけではない、橋田のオマヌケさを表現できたのは高嶋ならではだろう。

 せっかく悪女全開になった元子も、そんな橋田の前ではかすんでしまった。今後は、安島や長谷川との話がメインで描かれる回も訪れるはずだが、ベテラン役者陣に囲まれるなか、武井の演技が光るのはいつになるだろうか。
(文=美神サチコ/コラムニスト)

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