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「限界国家」日本、大量の外国人実習生が失踪…外国人労働者抜きでは社会維持が困難に

構成=長井雄一朗/ライター
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――このまま移民を受け入れなければ、どのようなことが起きますか。

毛受 2016年度の「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数」(世界各国の年金制度の比較)では、日本の評価は27カ国中26位。インドや中国よりも下のランクです。すでに厳しい状況ですが、日本は働く現役世代に依存する賦課方式をとっていますが、その人口が減少する以上、年金のさらなる悪化が想定されます。

 今、秋田県など特に衰退が激しい地域では、至るところで廃墟が生まれています。それに伴い、日本の伝統的な文化、行事、民俗などが消滅している現実があり、その進行度は加速しています。このままいけば、地域社会は取り返しのつかないほど衰退することになるでしょう。

 日本の文化というのは、京都府や奈良県、東京都だけにあるものではありません。山をひとつ越えれば祭りの方法も異なる。そんな多様性が日本文化の真髄です。しかし、その多様性が失われつつあります。

 また、高齢化が著しい農業人口はすでに200万人を割っています。高齢者に頼っている建設業界も「10年間で110万人が離職する」との予測がありますが、若い人が入職しない産業は衰退していき、インフラ整備、介護、モノづくりなどがままならなくなるでしょう。人口減少と高齢化によって、我々が当たり前に享受してきたサービスが崩壊することになるのです。

 そうなれば、日本の若者が海外に流出する恐れもあります。高齢者ばかりになった日本にとどまるよりも、英語を勉強してオーストラリアやカナダに定住する可能性もあるでしょう。そして、日本は若者から見捨てられた国家として衰退する。そんな未来も十分にあり得るのです。

 そもそも日本でブームになっている「終活」も、世界的では異様な目で見られているという現実を知ってほしいです。

日本人に根強い「移民アレルギー」の正体

――日本が移民を受け入れないことについて、海外からはどのような反応がありますか。

毛受 「異様である」との反応もありますが、「このまま日本が没落しては困る」という反応が大きいです。移民国家であるオーストラリアの大使館の方は、「我々はいつでも移民受け入れのノウハウを提供する。しっかり協力する用意がある」と言っていました。海外からは、「日本は国家が衰退する前に移民を受け入れるべき」との声が多いです。

『限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択』 すでに介護・農漁業・工業分野は人手不足に陥っている。やがて4000万人が減って地方は消滅をむかえ、若者はいい仕事を探して海外移民を目指す時代となるだろう。すでに遅いと言われるが、ドイツ、カナダなどをヒントに丁寧な移民受け入れ政策をとれば、まだなんとか間に合う。 amazon_associate_logo.jpg
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