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視聴率3%台のフジ『セシルの~』、ついに制作費が金欠か…編集部内の会話シーンばかり

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
0720_cesle550.jpg『セシルのもくろみ』公式サイトより

 女優の真木よう子が主演する連続テレビドラマ『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)の第6話が17日に放送され、平均視聴率は自己ワーストの3.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区平均)だったことがわかった。前回からは0.1ポイントのダウンで、相変わらずの3%台に終わってしまった。唯川恵の同名小説を原作としたこのドラマは、ファッション雑誌業界を舞台にさまざまな女性たちがぶつかりあいながら幸せを探していく物語。真木は、たまたまスカウトされて読者モデルとなり、成功の階段を駆け上がっていく主婦・宮地奈央を演じる。

 専属モデルとしてファッション誌「ヴァニティ」に復帰することになった奈央(真木)。復帰後すぐの撮影では緊張のあまり動きがぎこちなくなってしまい、カメラマンたちを怒らせてしまう。だが、そんな奈央に海外有名ブランド「フェローニ」の日本上陸50年を記念したタイアップ企画のモデルの話が舞い込む。奈央はフェローニの担当者に気に入られ、撮影も順調に終わるが、それとほぼ時を同じくしてフェローニを否定するような写真とコメントが奈央のインスタグラムで公開される。奈央のことを快く思わない専属モデルのレイナ(芦名星)が、ログインしたまま置き去りにしていた江里(伊藤歩)のスマホを勝手に使って投稿したものだった――という展開が繰り広げられた。

 原作が書かれた時代にはなかった、インスタグラムでのなりすまし投稿という現代的なネタを織り込んできたのはいいが、いまいちそれを活かせていないように感じられた。第一、モデルのアカウントからブランドを否定するようなエントリーが発信されてしまった場合、「乗っ取られてました」との言い訳で済むような問題だろうか。少なからず世間を騒がせるはずだし、フェローニ内部でも大騒ぎになったことだろう。制作費の都合なのかもしれないが、話の大半が編集部内での会話と伝聞で完結してしまい、いまひとつ現実感がない。まあ、現実社会でも本人が誤って投稿したのがバレバレなのに「乗っ取りに遭いました」で済んでいる事例もあることだから、リアルといえばそうなのかもしれないが、このあたりの描き込みがもう少しなされると、登場人物たちの行動にも深みが出てくると思うのだが。
 
 また、フェローニ本社がこの企画の担当ライターである江里を外すことで手打ちにしようと言ってきたのもなんだかおかしい。江里が奈央のインスタを管理しており、不注意で悪意の第3者に操作されてしまったという事情まで認識しているのでなければ、そんな条件は出てこないはず。ただ、その場合は「いつ誰が江里のスマホを不正に操作したか」がより問題になってくるに違いない。奈央がフェローニのモデルに決まったことを知っていて、なおかつそれを妨害しようとする人物は関係者か編集部内にしかいない。つまり、フェローニはヴァニティ自体を信用できないと判断すべきなのであって、江里を外したところでなんの解決にもならないのだ。

 フェローニの怒りを買って担当を外されたはずの江里はその後、祖母が大切にしていたフェローニのスカーフを自分が受け継いだのエピソードを下敷きにした企画書が認められてすぐに元の担当に復帰する。なかなかいい話のはずだが、描き方が下手なせいであまり感動できない。奈央が読者モデルをクビになってから専属モデルとして復帰する前回にも共通することだが、ピンチから逆転までの流れが急すぎる。もう少しためてから「一発逆転」を描いたほうが盛り上がるしスカッとすると思うのだが。

 ラストでは「ヴァニティ」のカバーモデルを長く務め、奈央のよき理解者となってくれたハマユカこと浜口由華子(吉瀬美智子)が同誌を卒業することが明かされた。それにともない、今後はレイナや舞子(長谷川京子)といった性格の悪いモデルたちの出番が多くなり、奈央とバトルを繰り広げるような展開になるようだ。ただ、本作における癒し的な存在で、その美貌でも視聴者を引き付けてくれた吉瀬の出番が減るのは視聴率的にはマイナス要因でしかない。女のバトル路線が案外おもしろければ視聴率反転もあるかもしれないが、過去の回にあったような小学生のケンカのようなつかみ合いと言い争いばかりでは、数少ない視聴者も逃げてしまうに違いない。路線変更がどこまで功を奏するのか注視したい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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