監督はAV制作の際、女優のキャスティング、出演、撮影、編集、パッケージ制作と、すべてをひとりでつくっている。自分の作品を他人につくってもらおうと思わないのは、当然だろう。

「確かに今まではひとりで作品をつくってきましたが、今回初めて、編集者の存在意義を知りました。編集者が章立てをして、『これに沿って書いてください』と言われて書いたのは初めてだったんです。この本は、編集者がいたからできた作品だと思っています」

 内容としては、とにかく「面白くなることを心がけた」という監督。ウダウダとした精神論的な話は退屈で、忙しい人たちの目には届かないだろうと思ったからだ。

「本には、“昭和最後のエロ事師”と呼ばれる私にしか経験できなかったことを書いています」

 ただ成功譚をひけらかす内容ではなく、逮捕される、多額の借金を背負う、お金を借りるために醜女と肉体関係を持つ……などなど、失敗譚も多い。それらを書くことに抵抗はなかったのだろうか。

「相手のケツメド(肛門)を知りたかったら、まず自分のケツメドを見せろ、と私は常々思っています。私は、何百万人の皆さまに自分のケツメドを見せてきて、裏本時代にはそのイボ痔まで見せてきました。今さら隠すものは何もありません。それに、成功譚を聞いたところで皆さんの役に立ちますか? 孫(正義)さん、柳井(正)さんの成功談を聞いたって、一般の人にはどうしようもないんですよ。宝くじが当たった人の日記なんてつまらないじゃないですか」

一旦、考えるのをやめてみる

 そもそも村西監督が同書で書きたかったのは、「お金の儲け方」や「成功の秘訣」などではない。

「本当の財産は、おカネではありません。何があってもめげない、絶望しない、がんばり続ける、という精神なんです」

 村西監督には50億円の借金を背負った過去がある。常人なら、自殺してもおかしくない状況だったことは間違いない。しかし、そんな絶望的な状態でも、心をうまくスイッチングさせて監督は乗り越えてきた。

「まずは自分を追い込まないことです。人間の心はいつも揺れ動きます。今の限定された環境のなかで、自分の将来を全部決めるべきではありません。絶望的な状況に陥った時は、一旦、考えるのをやめてみればいい」

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