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38度線を境に向かい合う「米国と中国」…崩れる朝鮮半島と極東の軍事的均衡

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 その後、マクマスター米大統領補佐官らが戦争勃発の可能性が短期間のうちに高まったとは思わないとの認識を示したことから、北朝鮮問題への緊張感は後退した。米株式市場が反発し、ドルの買い戻しも進んだ。この動きを見ていると、依然として市場参加者の心理は、先行きに楽観的と見える。中国が北朝鮮への制裁を強めていることも、市場の安心を誘ったようだ。また、米国の物価上昇率が予想を下回っているため、年内の追加利上げが難しいとの見方も、株価の上昇を支えている可能性がある。

北朝鮮問題への緊張感は高まりやすい

 
 ただ、北朝鮮問題は目先のヘッドラインを頼りに考えるべき問題ではない。それは、歴史をもとにして議論されるべき問題だろう。

 歴史的に、朝鮮半島は米国や中国、ロシアといった大国の利害がぶつかり合う地政学の要所である。現在では、38度線を挟んで中国の利害を反映した北朝鮮と、米国と同盟関係にある韓国が対峙している。北朝鮮と韓国が朝鮮半島で併存することが、中国と米国が直に向き合い、極東・アジア地域の覇権をめぐってエネルギーを消耗する展開を防いできた。中国が北朝鮮に対して過度な圧力をかけることを嫌ってきた理由がここにある。

 米国は北朝鮮の核開発に懸念を示しながらも、中国などと多国間の協議を重ねることで北朝鮮問題を解決しようとしてきた。これは、単に融和を示し、北朝鮮に配慮することではない。

 しかし、米国のトランプ大統領は朝鮮半島の重要性を十分には理解できていないようだ。同氏が強硬な姿勢を示すにつれて、北朝鮮の軍事挑発もエスカレートしてきた。同氏は中国にも圧力をかけて、北朝鮮の暴走を抑えるように仕向けようとしている。この政策が事態の改善につながっているとはいいづらい。

 北朝鮮にとって重要なことは、米国に制裁を解除させ金独裁体制の強化を図ることだろう。その目的を実現するために、北朝鮮は核兵器の開発を進め、米国をはじめとする国際社会に脅威を与えようとし続けるだろう。北朝鮮には、冷戦下から北朝鮮の庇護者としてふるまってきた中国からの呼びかけにも応じる気配がない。以上をもとにすれば、軍事挑発が続くと考えるのが現実的な見方だろう。

 この見方が正しいとすれば、今後も北朝鮮問題への緊張感は高まりやすい。一時的な株価の反発が事態の改善を示していると考えるべきではない。

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