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38度線を境に向かい合う「米国と中国」…崩れる朝鮮半島と極東の軍事的均衡

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今後の金融市場の展開予想

 
 北朝鮮問題が短期間で解決に向かうとは考えづらく、徐々に金融市場のボラティリティーは上昇する可能性がある。楽観一辺倒に傾いていた市場参加者の心理は、徐々に急落とその後の反発に揺さぶられ、神経質なものとなっていくのではないか。

 多くのエコノミストやストラテジストがこうした見方を持っているはずだ。そうならば、株のロングポジション(持ち高)を減らす動きが増え、相場に下落圧力がかかってもいいように思われる。しかし、下落圧力は短期間でかき消されてしまっている。

 この背景には、カネ余りが影響していると考えられる。現在の世界経済を見渡した時、米国の株式市場は割高な水準にはあるものの、緩やかな景気の回復に支えられて年内は株価が上昇基調で推移するだろうと考える投資家は多い。日米欧の中央銀行が短期間で金融引き締めに方針を転換する可能性も低いと考えられている。トランプ政権への不安はあるものの、米国の株式市場の流動性(売買時にかかるコスト)などを考えると、新興国株よりも米国株のほうが相対的には安心感がある。

 そのため、今回のように相場が調整しても、資金は米国の株式市場に還流しやすい。その結果、米国の株価上昇トレンドがサポートされ、世界的にもリスク回避の動きが続きづらくなっているのだろう。

 今回の北朝鮮によるグアム攻撃の示唆を受けて、一旦、米国の株式市場は北朝鮮に関するリスクを織り込みにかかったといえる。しかし、その後の米政府高官発言を受けて、リスクへの警戒モードは早くも低下に向かったように見える。

 北朝鮮問題が落ち着かない以上、先行きの相場調整リスクは高まりやすいだろう。米国の経済指標を見ても予想を下回るものが増えてきた。9月にはFRB(連邦準備制度理事会)がバランスシートの縮小を開始する可能性もある。米国の株式市場を中心に、徐々に悲観と楽観の振れ幅が大きくなり、相場の不安定感が高まりやすくなると考えられる。
(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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