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『コード・ブルー』、もはやファンの怒りも落胆も通り越し…ただの「医師残酷物語」化

文=西聡美/ライター
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 患者が被った重荷を、医者も何かを捨てることで償えるのか……。藍沢は答えの出ない自問自答を繰り返していた。

 そんな状況の中、白石は橘啓輔(椎名桔平)から灰谷への睡眠薬の処方量が多すぎると注意を受ける。処方した記憶がない白石は灰谷に電話をかけるが、電話に出たのは藍沢だった。灰谷は駅のホームから転落し、まさに今、翔北の救命に搬送されたところだった。

 あまりの後味の悪さにストーリーを振り返る気力も、心を注いで感じたことを記す意欲も湧かない第7話だった。落胆や怒りはとうに通り越してしまった。『コード・ブルー』は医者や救命の素晴らしさを伝える使命を捨て、救命で起こる残酷物語を見せる作品に方向転換したのだと、自分に言い聞かせた。

 灰谷が自殺未遂なのか、睡眠薬の影響での不慮の事故なのかわからないが、こんなことになったら誰も救われないではないか。灰谷自身だけではなく、亡くなった男性も、生き残った女性も、救命の仲間たちも、ヘリのパイロットたちも、視聴者も……。実際に救われない現実は世の中にあるだろうが、『コード・ブルー』はそこを描くドラマではなかったはず……。しかしそんな思いもひとりよがりで、制作陣は新たな使命に向かってひた走っているのだと思うしかないのだろう。

 感情も期待もすべて捨てて見れば、若くて綺麗な女優さんが多くて目の保養になるなと思える。ヘリの事故を梶寿志(寺島進)が起こすという最悪の設定が回避されてよかったと思える。事故に遭った女性が自分たちの状況を懇切丁寧に説明してくれたので、疑問が一つも湧かなくてよかったよかった。藍沢がトロント大への留学を辞退すれば救命にいてくれる。あーよかった、と思える。名取が人を愛する心を持ててよかった。本当によかった。
(文=西聡美/ライター)

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