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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!

マックとユニクロ、外から見えない「儲かる仕組み」…レシートに「ミズ¥0」印字、レイアウトはスーパーに酷似

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー
マックとユニクロ、外から見えない「儲かる仕組み」…レシートに「ミズ¥0」印字、レイアウトはスーパーに酷似の画像1マクドナルドの店舗(撮影=編集部)

「ここで勉強された方で、実際に起業される方はどれくらいいらっしゃいますか?」

 筆者がビジネススクールなどで講師をさせていただく時に、運営側に対してよくする質問である。これに対し、「5%くらいです」というのが大半の反応だ。逆に言えば、ビジネススクールや起業塾で学んでも、そのうち95%は起業することがないのだ。

 では、起業しなかった95%はどうしているのだろうか。筆者が観測しているところでは、半数近くがビジネススクールに再び舞い戻ってきている。筆者はそのような受講生に、「なぜ、起業せずに再び戻ってきたのですか?」と質問すると、判で押したような回答が返ってくる。

「勉強すればするほど、まだまだ勉強が足りないと思うようになりました」

 このような考えを持つ人で、起業した人を見たことがない。起業できる人とは、すべての準備が整わなくてもスタートする人である。行動しながら学習し、失敗の中から勉強すべきことを学んでいる。

 実は筆者も、ビジネススクールに通った後に起業している。ゆえに、起業できる人と、そうでない人との差が実感として理解できる。筆者が起業を決断したエピソードをご紹介しよう。

筆者は、なぜ起業するに至ったのか

 筆者がビジネススクールに通い始めて数週間たった頃、特別カリキュラムとして有名な若手起業家の講義があった。マスコミでも話題の起業家が登壇し、自身のサクセスストーリーを語り始めた。その瞬間、筆者は妙な違和感を覚えた。

「なぜ彼が講義をして、なぜ私が聞く側にいるのだろうか」

 経営者の話を“聞く側”にいる限り、絶対に起業することはできない。私がいる場所は、ここではなく、彼がいる場所だ。そう確信した瞬間から、講義の内容はまったく耳に入らなくなった。講義が終わると、すぐに起業の準備を始め、ビジネススクールが終了する前には準備が終わっていた。結果的に、ビジネススクールの全課程を半分も消化することもなく、いわば“不良受講生”だったが、起業できた5%の仲間に入ることになった。

 卒業した受講生の多くが、いまだに起業することなく、真面目に勉強を続けている。彼らは2つの間違いに気づいていない。

 ひとつは、「知識によって起業する力を得る」という誤解である。成功した企業のケーススタディーをいくら学んだところで、それは過去の事例を知ったにすぎず、同じような出来事が起こる可能性は極めて低い。起業してみればわかるが、実際には想定外の出来事の連続で、どのビジネス書にも答えがない事象ばかりが発生する。その都度、自分の頭で判断し、正解かどうかわからないまま行動を起こすしかない。知識の量ではなく、日々変化する問題に対応できる“地頭”を磨くことが重要なのだ。

 筆者は多くの起業家に取材をしているが、彼らも決断する時には、「この決断によって、どのような結果になるかわからず、とても怖かった」と告白している。それが現実だ。だからといって、知識を全否定しているのではない。有益な知識や叡智によって失敗を事前に回避できるのも事実である。だが、知識も実践の場で使わなければ、いくら脳にため込んでも無駄になる。格言にもこうある。「知識を使わなければ、無知と変わらない」――。

 もうひとつの間違いは、「ビジネスセンスは、ビジネススクールでしか鍛えることができない」という錯覚である。ビジネスセンスは、ビジネススクール以外でも身につけることができる。普段の生活をしながら、どこでもビジネスのヒントを発見することはできる。

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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