
BJ読者の皆さまはいま何歳ですか、そして皆さまにとって「懐かしい」とはどんな情景でしょうか。
1970~90年代、家庭の茶の間から学校の放課後。人それぞれ「懐かしい」は無数に存在すると思います。そんな膨大な「懐かしい」が集まるサイトがミドルエッジ。私たちの記憶をくすぐる「懐かしい」が圧倒的なボリュームで揃っています。
そして数ある「懐かしい」の中から厳選した記事をお届けするのがこの連載。忙しい日常にちょっと一息、缶コーヒーでも飲むような気持でご覧になっていただけましたら幸いです。
さて、今回はかつて存在した「ドライブインシアター」にスポットライトを当ててみました。
日没から月明りの下、彼女と車中で2人、ドライブインシアターで映画を観ながらムーディーなデートを楽しんだ方もいることでしょう。
かつては全国にあったドライブインシアターですが近年ではシネマコンプレックスがその役割を果たし、いまや現存するドライブインシアターはありません。
けれど福山雅治の「DRIVE IN THEATERでくちづけを」なんて曲にもあるように、週末のドライブデートの締め括りにドライブインシアターを訪れ、2人きりの車中で目の前の巨大なスクリーンを見つめるというムーディーな時間と空間は、経験した人にとっては忘れ得ない思い出として残っているのではないでしょうか。
映画の音声は車中でラジオ受信するか駐車場にあるポールから聴くという、現代からすれば実に貧弱な音響でしたけどね。
そもそも1933年にアメリカニュージャージー州で開業したのが始まりだったドライブインシアターですが、家族連れやデートでの利用で人気を集めて瞬く間に全米に広がっていきます。50~60年代には、アメリカやヨーロッパで自動車の普及とともにポピュラーな娯楽として広く親しまれました。
しかしカラーテレビやビデオテープレコーダ、レンタルビデオなどが登場すると、広い土地が必要で夜間しか営業出来ず、雨天では上映中止に加えて冬の観客も少ないドライブインシアターは次第に下火となっていきました。
かつてのドライブインシアターの跡地はいまも全米各地にありますが、商品を野積みする倉庫代わりになっているものもあれば、フリーマーケット用会場になっているものもあるようです。