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8年後には123万人の仕事が消滅? 人工知能時代の生き抜き方

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 8年後には、日本国内で123万人の仕事がなくなるかもしれない。この予想に、あなたは何を思うだろうか。

 人工知能(AI)やロボット技術は今や大きく前進し、大規模な「テクノロジー失業」を引き起こすことが予想されている。そして、多くの科学者や経済学者が、もはやその事態は不可避だと考えているようだ。

 この問題を経済学の立場で解説した一冊が『仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること』(鈴木貴博著、講談社刊)だ。

 本書では、人間の仕事はいつ、どのような形で消滅し、その過程と未来に何が起こり得るか。そして、それに対してどう立ち向かうべきなのかが論じられている。

 「8年後に消滅するかもしれない123万人の仕事」とは、タクシーや長距離トラックのドライバーの仕事だ。セルフドライビングカー(自動運転車)の登場により、人間のドライバーが不要になる可能性は高い。

 世間一般では、まだ「テクノロジー失業」について深く認識されているとは言い難く、どこかで「自分は大丈夫」だと思っている人も多いだろう。だが、それは危機感が薄いと言わざるを得ない。本書を読めば、その考えを改めざるを得ないだろう。

■「アルファ碁」に見る人工知能のブレイクスルー

 2016年には、世界最高峰の囲碁棋士李世ドル九段が。2017年には人類最後の砦と言われた世界最強の棋士柯潔(カケツ)九段が、グーグルの開発したAI「アルファ碁」に敗北した。

 「囲碁は人間のほうが有利」という神話が崩された背景には、AIの分野で「ディープラーニング(深層学習)」という技術的なブレイクスルーがあったからだ。

 ディープラーニングは、AIが自ら学習し、自ら物事を理解することを可能とした。人間が「これはAではなくBだ」「あれはBではなくCだ」と教えなくても、勝手に学んでいくのだ。

 「アルファ碁」は、膨大な数の先人たちの棋譜から、定石を学び、打ち手を勉強していったのである。

 このブレイクスルーは、囲碁棋士だけでなく、全世界の仕事に影響を与える問題だ。コンピューターの情報処理能力は、人間のそれを大きく上回る。そこに自ら学ぶ「ディープラーニング」が加わるとどうなるのか。

 たとえば、職場において「能力の高い営業社員とはどんな人間か」をあらゆる情報から学習したAIは、人間の管理職よりも的確な評価や最適な指示を与えられるようになる。自動運転システムも「ディープラーニング」により、周辺状況の認識や対応を学習する精度が高まり、人間以上に安全な運転が可能になりつつあるという。

■実際に、どんな仕事が消滅するのか

 では、実際にどんな仕事がなくなろうとしているのか?

 まず、「AIやロボットによって自動化される仕事」だ。タクシーやトラックのドライバー、一般事務員、銀行の窓口や受付などがこれに該当する。

 次に「仕事の大半が自動化されるために素人でもできるようになる仕事」だ。これは主に「オペレーター」に分類される仕事である。工場のマシンオペレーター、建設機器のオペレーターなどである。こういった仕事は、かつては機会を操作するのに熟練が必要だったが、AI・ロボット技術両方の進化で、補助をするには素人を数時間教育すれば戦力化できるようになるという。

 さらに「知性が必要だとされていたが、AIのほうが正確にできるようになる仕事」だ。銀行の融資担当、会計士や税理士、保険の審査担当、経営コンサルタント、弁護士助手などの仕事は、ビッグデータを処理、分析できるAIのほうが、正確な判断を下せるようになる。

 それだけではない。「そもそも必要なくなる仕事」が出てくる可能性がある。

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