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鈴木祐司「メディアの今、そして次世代」

日テレ、バラエティ視聴率トップ10の8割占有、フジはたった1本…歴史的独走の秘密

文=鈴木祐司/次世代メディア研究所代表
日テレ、バラエティ視聴率トップ10の8割占有、フジはたった1本…歴史的独走の秘密の画像1日本テレビタワー(「Wikipedia」より/FlickreviewR 2)

 日本テレビが8月も視聴率三冠王となり、これで45カ月連続の大記録となった。同月には毎年恒例の『24時間テレビ』が放送され、今年は瞬間最高視聴率40.5%(ビデオリサーチ社、関東地区/以下同)、平均も歴代2位の18.6%と絶好調で、いつもにない独走ぶりだった。

 この流れのなかで、同局の秋改編が今月5日に発表された。なんとクール毎に必ず変わるドラマ枠を除くと、「ほぼ無改編」(岡部智洋編成部長)という異例の改編となった。「視聴習慣を確立するため、10月はあえて無改編。実はチャレンジングで、G帯(ゴールデンタイム:夜7~10時)・P帯(プライムタイム:夜7時~11時)をいじらないことにした」と説明しているが、同局の編成表が現状でほぼ完成に近いかたちであることを示す事態といえよう。その原動力は、金曜の『金曜ロードSHOW!』以外のG帯の全番組がバラエティとなっている点だ。なぜ同局のバラエティはかくも強いのか、検証してみる。

進化する『イッテQ』

 今の日テレを代表する番組といえば、誰もが『世界の果てまでイッテQ!』と答えるだろう。今年上半期の平均視聴率は20%超えが12回。しかも8週連続20%超えを記録するなど、近年のバラエティ番組では類を見ない快進撃となっている。

 そもそも『イッテQ』は放送開始当初の2007年、年間平均視聴率は12%ほどと平凡な数字だった。ところが徐々に上昇し、13年は16%台、14年は18%台、そして15年は19%台と右肩上がりが続いた。16年は一旦17%台に後退したが、番組誕生10周年の今年は改めて快進撃が続いている。

 しかも、すごいのは視聴率だけじゃない。データニュース社「テレビウォッチャー」が調べる番組内容への満足度や、次回見たい率も極端に高い。満足度では上半期に4.0を3回突破し、平均も3.90に達した。例えば今年の春クールで連続ドラマ視聴率1位だった『緊急取調室』(テレビ朝日系)の満足度は3.85。同2位の『小さな巨人』(TBS系)で3.92。評価が高いドラマと互角の満足度をバラエティが出すのは、極めて稀なことである。

「絶対見る」「たぶん見る」を足した次回見たい率も高い。見た人の84.8%が「次回見たい」と答えている。しかも「次回見たくない」と答えた人は1%ほどしかいない。多くの人に「見たい」と思わせ、ほとんど嫌な気分を持たれていない。バラエティ番組はもともと“暇つぶし”や“慰安”を求めて見る人が多いジャンルだ。目的をもって専念視聴されるドラマとは、このあたりが大きく異なる。それでも人気ドラマと互角、あるいはそれ以上の成績を出しているのは快挙といえよう。

鈴木祐司/メディアアナリスト、次世代メディア研究所代表

鈴木祐司/メディアアナリスト、次世代メディア研究所代表

東京大学文学部卒業後にNHK入局。ドキュメンタリー番組などの制作の後、放送文化研究所、解説委員室、編成、Nスペ事務局を経て2014年より現職。メディアの送り手・コンテンツ・受け手がどう変化していくのかを取材・分析。特に既存メディアと新興メディアがどう連携していくのかに関心を持つ。代表作にテレビ60周年特集「1000人が考えるテレビ ミライ」、放送記念日特集「テレビ 60年目の問いかけ」など。オンラインフォーラムやヤフー個人でも発信中。
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Twitter:@ysgenko

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