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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

「とりあえずアマゾン」に疑問を抱き始めた消費者たち…強烈なライバル浮上&人気殺到

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役

「スマホファーストの時代」といわれる今、私たちは毎日平均して約150回もスマートフォンを手に触れているといわれています。そして、友達とのやり取り、何か欲しいものがあるときは、瞬時にスマホを利用し、情報を手に入れようとします。電車の移動時間や寝る前、休み時間など短い時間でもスマホで何かをしています。

 たとえば、何かを買おうとした際には、数社の企業のサイトを訪れチェックします。しかし、何度訪れてもサイトの内容が変わらない企業が多いです。それで、しっかりと顧客をつかめるのでしょうか。

 そんな顧客の不満を解消するのが、4月に東証マザーズに上場したばかりのテモナが提供する、おもてなしサービス「ヒキアゲール」です。今回はこの興味深いサービスを提供しているテモナの宮崎善輝COO(最高執行責任者)に、ヒキアゲールについて詳しく聞きます。

当たり前の接客をネット上で再現

 ヒキアゲールの原点は昔からの接客スタイルにあると宮崎氏は言います。一人ひとりの顧客に合わせた接客は、実店舗においては当たり前なのに、ネット上では反映されていません。それを解決するのがヒキアゲールサービスです。

 顧客は商品を購入しようとした際に、まずは対象の商品はどのような価格帯なのか、どういった素材が一般的なのかなど情報集めをします。それらの情報から、自分のなかに一定の評価軸をつくったのちに再度企業ごとのサイトを訪れ、各社を比較し選別を始めます。企業ごとの比較が終わり1社に絞り込んだ後も、「自分はこれを本当に買っていいのか」という葛藤があり、それを越えるとやっと購入へとつながります。

 ヒキアゲールは、消費者の気持ちの移り変わりに合わせて、訪れたサイトのページを変えることができるサービスです。たとえば、1回目の訪問では商品の情報、すでに選別の段階にあるであろう2回目の訪問では、比較に役立つような口コミなどを表示。3、4回目の訪問時には数社に絞られた後の訪問だと考えられるため、商品の過去受賞履歴などを表示し選別の後押しに。さらに5回目の訪問では、すでに1社に絞られたと考え、金額メリットを表示するというように、顧客の行動・属性、訪問回数に合わせてウェブページを出し分けすることができるというシステムです。

 このように、ヒキアゲールは実社会の実店舗では当たり前のように行われていることを、ネット上にてできるようにした画期的なシステム、ヒットの秘訣は、まさに“ありそうでなかった”を具現化したものだと感じます。現在ではすでに数百社もの企業に導入され成功をおさめています。

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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