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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

海外客船クルーズ、ブーム&身近に…101泊・400万円で世界1周も人気

文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント

――世界規模の英語版サイトがあるのですか?

澤田 はい、cruise.comというサイトが先行しています。このサイトは逆に日本語ではまだ使えません。

――当面の経営上の課題は?

澤田 旅行オペレーション部門の品質向上でしょうか。当社はオンライン志向ということもあり、電話やメール対応の面でご意見をいただくことがあります。また育成課題と併せて、お客様の急増に対応する人材採用、社員数の確保を行っていくのも、この人手不足の折、高い戦略性が求められると感じています。

――本日はありがとうございました。

澤田 新しいオフィスにも、ぜひ遊びにいらしてください。

山田の感想

 外航クルーズの日本人旅客者数は、実は13年、14年と微減していた(「2015年の我が国のクルーズ等の動向について」国土交通省海事局外航課港湾局産業港湾課より)。それだけに、15年から始まり当面続きそうな急増から、15年が日本の外航クルーズの元年となったように私には見える。

 日本船社でも郵船クルーズが飛鳥2で、18年出発の世界1周クルーズを募集し始めた。横浜発着で101泊102日間のクルーズで正規募集の値段は400万円から2600万円にも上るという。そんなビジネスが成り立つような時代がやってきた。

 国内でも船ではないが、JR各社による豪華列車によるクルーズトレインが相次いで導入されて大変な人気を博しているなど、マーケットの素地が大きく成長している。

 日本政府も訪日クルーズ旅客数500万人の実現に向けて、国土交通省が「ニッポンクルーズ列島化計画」として、国際クルーズ旅客受入機能高度化事業(補助事業)を開始している。インバウンドのクルーズの伸びに対応するには、現在決定的に不足している10万トンクラスの客船が接岸できる港湾の整備が不可欠となっている。

 ベストワンクルーズは今、旅客オペレーションの質の向上、オペレータの確保に悩んでいる、とのこと。お勧めしたのは、質の向上を目指すより、それを放棄したらどうかという方策だ。つまり徹底的にオンラインだけで収束してしまうモデルを構築するか、外部コール・センターに外注してしまうかのどちらかである。

 いずれにせよ、マーケットの追い風と独自のビジネス展開で成長必須のベストワンクルーズである。澤田社長も34歳という若さだ。急成長するベンチャーであることは間違いないだろう。
(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)

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選考させてもらいますのでご了承ください。

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
有限会社MBA経営 公式サイト
山田修の戦略ブログ

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