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『コード・ブルー』、瓦礫から起き上がる山Pに失笑…ものすごいご都合主義の円満な結末

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 その2日後の翔陽大学付属北部病院・救命救急センターには、それぞれが自分の問題と向き合う医師とナースたちの姿があった。天野奏(田鍋梨々花)は新海広紀(安藤政信)に藍沢の思いを伝えられ彼を許し、灰谷俊平(成田凌)は白石と話す中で、自分だけが苦しいわけではないことに気づく。冴島のために救命を離れる決意をした藤川は、その冴島の言葉によって再び救命に残ることを選び、名取の父親は緋山の説得によって名取を救命に残すことを承諾。橘啓輔(椎名桔平)と三井環奈(りょう)の息子も移植に成功して歩けるようになり、橘に医師になる夢を語った。緋山も改めて緒方博嗣(丸山智己)に交際を申し込み、めでたく結ばれる。藍沢はトロント留学へ行くことを決意し、白石は誰かの真似をせず、自分なりの救命を作っていくと藍沢に宣言するのだった。

 30分拡大の最終回。前回の予告で「大惨事」を匂わせていた藍沢が無傷で復活するパターンには免疫があったが、瓦礫の中からスローモーションで起き上がる感動的な演出には逆に笑ってしまった。ここまでの9話分でばら撒いた設定を短時間ですべて、円満に解決していくという都合の良い最終回となったが、主要メンバーそれぞれに見せ場があっただけでもホッとしたというのが正直な感想。

 今回のシーズンの中で一番魅力を失ってしまった冴島はるかの「バカ! 気を抜いてどうすんの!」というセリフを発する比嘉愛未の演技はすばらしく、藤川だけはなく、何か大きなものにビンタをしているような迫力を感じた。最終回でいきなり元に戻った冴島だったが、藤川に救命を辞めてほしいと願ってしまう自分に大きな葛藤があれば良かったのに……と今さらながら思う。途中、何の葛藤もなく、ただただ自分の感情に任せて藤川を追い詰める冴島さえなければ……。本当に惜しい。

 藍沢と奏と新海のエピソードは最後までいらないと思ったが、一方で名取と父親とのエピソードはもう少し深堀りするべきだったような気もする。脚本家の筆力や有岡の演技力にもよるが、モンスターな父親の姿をもっと見せれば名取の小生意気さも納得ができたかも知れない。そこに絡ませるのは緋山との恋愛ではなく、主役の藍沢かリーダーの白石の方がウェイトを重くできそうだが。終わったことをああだこうだ言っても仕方ないが、名取の父親のシーンが少な過ぎて、名取が闇を抱える程の悪い父親には見えず、逆にダメ息子を鍛えたい良い父親に見えてしまった。

 その他、緋山と緒方が結ばれたり、橘の息子が元気になったり、藍沢がトロント行きを決意したりと、結末は驚くほど予想通りだったが、それで充分。意外な展開よりも、5人が5人らしくその場にいてくれることのほうが余程貴重で愛おしい。9話までのグタグタは無かったことにして、ここから物語をスタートさせてほしいとさえ思った。

 シーズン2までに作り上げた主要メンバー5人のキャラクターは魅力があり、演じる俳優陣もこの7年でそれぞれが俳優としての実力を磨いてきた。ドクター・ヘリの出動現場を描くというコンセプトもほかにはなく、命の瀬戸際を深く描くことができる貴重なコンテンツだ。ファンとしては、5人がさらに輝く姿を期待するのは当たり前のことで、歯車が狂わなければ実際に過去シーズンを超えることだってできたはずだと思う。映画化が決定したが、このシーズン3で脂肪となった部分をもう一度見つめ直して、作品としての輝きを取り戻してほしいと心から願う。5人と5人を取り巻く人々が織りなす、唯一無二の医療ドラマを見たい。
(文=西聡美/ライター)

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