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北朝鮮、世界で一番有利な位置に…大国の利害関係を都合良くコントロール

文=深笛義也/ライター
北朝鮮、世界で一番有利な位置に…大国の利害関係を都合良くコントロールの画像1北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(提供:KNS/KCNA/AFP/アフロ)

 朝鮮半島の2国は、なぜ制御不能なのか――。

 9月18日付記事『平気で国家間合意を破る韓国、なぜ世界の笑いものに?石平氏に聞く』では、『朝鮮半島はなぜいつも地獄が繰り返されるのか 中国人ですら韓民族に関わりたくない本当の理由』(徳間書店)の著者で日本に帰化した元中国人の石平氏に話を聞いた。

 石平氏によると、従軍慰安婦問題における「日韓合意」をはじめとして韓国が国際的な合意を守らない姿勢は「笑い話」「近代文明国家になっていないから」であり、日本の一番の不幸は「良くない隣人を持ったこと」であるという。

 一方で、「約束を守らない」という点は北朝鮮も同じだ。

「北朝鮮の狙いは明らかです。弾道ミサイルを発射したり核実験を実施したりすることによって、アメリカや中国をはじめとする国際社会を巻き込むかたちで、自国の存在感を高めて交渉の材料にしたい。

 一方で、いくらミサイルを発射されてもアメリカは軍事攻撃に踏み切れないでしょう。それは、歴史的教訓があるからです。『一度踏み切ったら、あいつらに巻き込まれてしまう』というものです。同じように、中国も簡単には踏み切りたくない。中国も、歴史からすごい教訓を得ていますから」(石平氏)

朝鮮半島分断のきっかけは朝鮮民族自身だった?

 日本の敗戦が決定的になった後の1945年8月16日、旧ソビエト連邦軍が満州から朝鮮半島に侵攻し、9月8日には米軍が仁川から侵攻した。日本の降伏以前に朝鮮半島で両軍が衝突することを避けるため、38度線を軍事境界線とする取り決めがなされた。

「1943年、アメリカ、イギリス、中国の連合国首脳はエジプト・カイロで会談を開き、『3大国は朝鮮の人民の奴隷状態に留意し、やがて朝鮮を自由かつ独立のものたらしむるの決意を有す』として、朝鮮独立への支援を国際的に公約したのです。これに、旧ソ連も賛同しました。

 朝鮮民族自身の臨時政府を設置する一方で、米ソによる共同委員会をつくり、『5年間の信託統治の後に朝鮮の独立と統一を実現する』という案でした。しかし、後に韓国の初代大統領となる李承晩らが『5年間の信託統治は民族に対する侮辱だ』として、これに反対したのです。

 大規模なデモも行われ、朝鮮半島の南部では、この賛否をめぐって激しい闘争が行われました。それを見て、旧ソ連は『それなら38度線以北に共産政権をつくったほうがいい』と考え、アメリカも『南に親米政権をつくろう』と考えたのです」(同)

 1948年8月15日に当時の李承晩大統領が大韓民国(韓国)の樹立を宣言し、同年9月9日に最高指導者たる金日成が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の樹立を宣言した。

 朝鮮半島の南北分断は、一般的には米ソの利害によるものと思われている。結果的にそういう側面もあるものの、そのきっかけをつくったのは朝鮮民族自身だったのだ。そして、1950年に朝鮮戦争が勃発する。

『朝鮮半島はなぜいつも地獄が繰り返されるのか 中国人ですら韓民族に関わりたくない本当の理由』 なぜ韓民族は約束を守れないのか? どうしてすべて他人のせいにするのか? 朝鮮半島に内紛が絶えないのはなぜか? 元中国人の著者だからわかる韓民族の歴史的悪癖とその背景。 amazon_associate_logo.jpg

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