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木村隆志「現代放送のミカタ」

朝ドラ『ひよっこ』、ラストはみね子と秀俊が結婚?今世紀最高レベルのハッピーエンドの予感

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
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 歴史上の偉人ではない主人公と、目を引く事件の起こらない物語が「普通すぎる」「生ぬるい」などと言われ、10%台の視聴率が続いていた連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK)。

 しかし、放送開始から約3カ月が過ぎた第13週に週平均の視聴率が20%台に乗ると、8月8日には23.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録するなど、高視聴率をキープしたまま9月30日の最終回を迎えようとしている。

 5月30日に17.5%まで下がった視聴率がV字回復した理由は、「貧しくても楽しい日々」を描いた優しい世界観がジワジワ浸透したからだろう。その立役者は、同作の脚本家・岡田惠和。近年、「悪者が登場しない」性善説をベースにした作品が増えているが、岡田は以前からそのスタンスで活動していた。

 2013年夏に『半沢直樹』(TBS系)が大ヒットするなど、ドラマ業界が勧善懲悪ブームだった頃ですら、岡田は至ってマイペース。『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)、『泣くな、はらちゃん』(日本テレビ系)、『スターマン・この星の恋』(フジテレビ系)といった優しい世界観の物語を書いていた。

『ひよっこ』は、奥茨城の住民、向島電機の仲間、赤坂の人々……いずれも、「こんな人たちに囲まれて暮らしたら楽しいだろうな」と感じさせるキャラクターで構成されている。「ありそうだけど、現実的にはないかな」「なさそうだけど、もしかしたらあるかも」というリアルとファンタジーの塩梅が心地よいのだ。

「リアルばかりでは厳しすぎる」。でも、「ファンタジーばかりでは醒めてしまう」。ほどよいバランスを求めがちな現代視聴者と岡田の相性は良好。特に朝ドラのような生活の一部に組み込まれる長期間の帯ドラマは、岡田の描く優しい世界観とマッチしやすい。実際、岡田が手がけた朝ドラ『ちゅらさん』『おひさま』も、少しずつ登場人物たちに惹かれていく視聴者が多かった。

『ちゅらさん』のラストシーンを再現か

 だからこそ、『ひよっこ』の結末は今世紀最高レベルのハッピーエンドが予想されている。

 みね子(有村架純)と秀俊(磯村勇斗)が結婚し、三男(泉澤祐希)とさおり(伊藤沙莉)、省吾(佐々木蔵之介)と愛子(和久井映見)がカップルに。時子(佐久間由衣)が女優業を本格化させ、坪内(浅香航大)と新田(岡山天音)の漫画が売り出され、世津子(菅野美穂)と早苗(シシド・カフカ)も悲しい過去から抜け出し、奥茨城の谷田部家は花の栽培に成功、すずふり亭の新メニューと新デザインの制服も好評。岡田の作風とこれまでの展開を踏まえると、すべてがポジティブなラストを迎えても不思議ではない。

 近年の朝ドラは、歴史上の偉人一代記が多かったため、必然的に終盤は年老いた姿が描かれていた。『マッサン』ではエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)、『あさが来た』では新次郎(玉木宏)が亡くなるという切ないシーンもあったが、偉人でも一代記でもない『ひよっこ』にその心配はない。

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