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あのドンキがガラガラの異常事態…わずか8カ月で閉鎖、絶好調・ドンキに危険な兆候

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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平日も神保町靖国通り店は客が少なかった

 別の日の平日の昼12時台に再び神保町靖国通り店を訪れてみた。平日の状況を確かめるためだ。滞在客数は38人で、寂しい状況だった。食品がある1階はそれなりに混雑していたものの、それより上階は閑散としていた。平日のため、1階にはビジネスパーソンらしき人たちで若干賑わいを見せ、その多くが弁当などを買っていた。学生らしき人もいるにはいたが、数名だった。

 その後、神保町駅から2駅離れた春日駅から徒歩5分、後楽園駅から徒歩5分にある「ドン・キホーテ後楽園店」(東京都文京区)を訪れた。今回も同日・同時間帯での訪問だ。同店はビルの1階と2階で営業している。売り場面積は2897平方メートルで、神保町靖国通り店の約3倍だ。滞在客数は75名で約2倍だった。

 筆者が訪れた時だけでいえば、滞在客の絶対数は後楽園店のほうが多いが、売り場面積の単位あたりの滞在客数は神保町靖国通り店のほうが多いことになる。ただ、後楽園店には54台が停められる駐車場があるためか、主婦らしき人が多い。また、近くに「東京ドーム」やテーマパーク「東京ドームシティアトラクションズ」、レジャー施設「ラクーア」などがあり若者も多いため、おそらくほかの時間帯でもそれなりの集客ができている可能性が高い。したがって、1日単位で考えれば単位あたりの滞在客数でも後楽園店のほうが多いと考えられる。

 もちろん、滞在客数などの情報は一時点のものであって、すべてを表しているわけではない。それを考慮しても、神保町靖国通り店は集客において困難を極めているといっていいのではないか。

 閉店の理由をドンキの広報担当者に確認したが、「物件は当社のグループ会社が所有しており、ロケーションなどを勘案した結果、店舗としてではなく、間接部門の拠点やテナントへのリースなどで活用することを検討しています」との回答だった。ということはやはり、ドンキの店舗では集客が困難で採算が取れないということなのだろう。

 それにしても、なぜドンキは神保町靖国通り店をあの場所に出店したのだろうか。神保町駅周辺の街の特性を知っていれば、経営に詳しくなくても、ほとんどの人が出店に適しているとは思わないはずだ。実際に、インターネット上では「やっぱり撤退になったか」などと、必然の結果と考える声が多数を占めている。

 ドンキは1号店の創業以来、28期連続の増収増益を達成している。業績は好調といっていい。そのため、「ドンキは多少立地が悪くてもいける」といった慢心があったのかもしれない。または、潤沢な資金があるため多少の冒険があってもいいと考えたのか、もしくは実験的な出店だったのだろうか。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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