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安倍政権、交代の可能性…カギは投票率、野党集結の黒幕は小沢一郎か、自民党は混乱

文=深笛義也/ライター
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絵図を書いている人物

 前原代表の 「名を捨てて実を取る」との言葉で、希望の党への合流を決めた民進党。捨て身とも見える戦法に、なぜ打って出たのだろうか。

「これにはベースがあります。2012年の総選挙の時に、イタリアの野党再編に倣った『オリーブの木』構想というのが浮上して、滋賀県知事(当時)の嘉田由紀子を代表にして『日本未来の党』が結成されました。1選挙区ごとに1人の当選者を選ぶのが、小選挙区制。野党から2人も3人も候補者が出ていると、政権への批判票が割れてしまって当選できない。自民党と公明党は、政権支持票が割れないように、同じ選挙区に両方が立たないように調整しています。野党も一本化しようというのが、『オリーブの木』構想なわけですが、日本未来の党はみごとに失敗しました。これは嘉田さんの政治経験が浅かったことと、当時の民主党はじめ、他の野党でもいろんな思惑があって、1つにまとまりきれなかったことが要因です。前原さんはそのことを忘れていません」

 今回、野党の候補1本化は、民進党、共産党、自由党、社民党で進んでいたが、民進党の希望の党への合流で、これは白紙になった。

「きちんと裏は取れていないのですが、今まで取材してきた蓄積から総合的に考えると、絵図を書いているのは、小沢一郎さんですよ。嘉田さんを担いで日本未来の党を立ち上げさせたのも、小沢さんですから。蓮舫さんが辞めて、民進党の代表戦に前原さんが出馬、そして勝てると踏んだ時点から始まっていると思います。それまでに温めておいた策を、前原さんは小沢さんと一緒に協議を重ねてきたのだと思います。小池さんというタマを引っ張り出すという仕掛けで、彼女がそこに乗っかったという構図でしょう」

 確かに代表に就任にしてから前原氏は、共産党との共闘の見直しをほのめかしていた。それが現実のものとなったかたちだ。共産党の志位和夫委員長は28日、国会内で開いた党会合で「民進党の候補者が希望の党の公認候補となった場合には、原則として候補者を擁立して戦うのは当然だ」と述べ、対立候補を擁立する考えを示した。

「今はそう言っていますが、降ろすでしょう。4党の野党共闘が進んでいた時には、重点選挙区としている15選挙区以外は、立候補予定者を降ろすと言っていました。希望の党と選挙協力は結ばないと思いますよ。だけど、降ろすのは自由ですよね」

 希望の党への対立候補を共産党が立てて票を食い合うようなら、自公の思うつぼだ。共産党も、そんな愚はおかさないということか。

「もし自公以外の党で過半数を取ったとして、共産党が政権に入るかといったら、それはわかりません。拒否するかもしれない。そもそも選挙協力しないのですし、『自分たちは小池さんを信用できないから、チェックする側に回る』と言う可能性もあります」

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