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海藻を食べると歯周病が改善する?カルシウムの取りすぎは動脈硬化や腎臓結石の恐れ

文=ヘルスプレス編集部
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カルシウムが溶け出して歯がグラグラに

 カルシウムを摂取すると、大部分が骨や歯に貯蔵され、残りの一部がカルシウムイオンとして細胞内にたまる。細胞内のカルシウムイオンはポンプの力で血液中に押し出され、体内をめぐって心臓や脳で重要な働きをするが、加齢とともにポンプ機能が低下するのが問題だ。

 細胞内にどんどんカルシウムがたまるのに排出されにくくなり、血中カルシウムが不足する事態になる。すると、それを補うために骨からカルシウムが溶け出す。歯槽骨やあごの骨からはまっさきにカルシウムが溶け出し、歯がグラグラになる。

 また、細胞にカルシウムがたまりすぎると、今度は細胞内の濃度のバランスをとるため、細胞は水分を取り込んで膨れ上がり、最後にパチンと弾けてしまう。このとき、壊れた細胞から出たカルシウムは動脈硬化や腎臓結石などの害を引き起こす。

 これを是正してくれるのがマグネシウムで、たまったカルシウムを細胞の外へ押し出し、体内に巡らせ、血中のカルシウム濃度低下を解消してくれる働きがある。

「海藻は腎機能障害や甲状腺障害がない場合は、たくさん食べても問題ない。歯周病の改善のために、ぜひ積極的に食生活に取り入れてほしい」(小峰院長)

歯垢の形成を防ぐ成分を持つ海藻もある

 また、海藻からは、虫歯や歯周病の原因となる歯垢(バイオフィルム)をできにくくする成分が発見されている。

 岡山大学の研究グループは、海松(ミル)から発見された「ミルレクチン」が糖鎖と特異的に結合して、細菌がバイオフィルムを形成するのを阻害することを報告している。現在ではミルレクチンを配合した口腔ケア製品も市販されている。

 ちなみに海松は現在、日本ではあまり食べる習慣はなくなったが、飛鳥・奈良時代には一般的に食べられていたという。

 日本では古来、海藻を常食してきたが、海外では海藻を食べる国は少ない。日本人は海藻の栄養を吸収できるが、実は、海藻を食べる習慣のない国の人は、食べてもほとんど吸収できないと考えられている。

 これは、海藻の細胞壁を分解できる酵素を持つ腸内細菌が日本人に特有だからという。日本人だからこそ享受できる「海の恵み」を有効活用したいものだ。
(文=ヘルスプレス編集部)

小峰一雄(こみね・かずお)
小峰歯科医院理事長。1952年生まれ。歯学博士。城西歯科大学卒。37年前に開業して数年後、歯を削るとかえって歯がダメになる事実に直面し、以来「歯を削らない、抜髄しない」歯科医師に転向。独自の予防歯科プログラムを考案するとともに、食事療法、最先端医療を取り入れた治療を実践している。歯を削らずに虫歯を治療する「ドックベストセメント療法」の日本における第一人者として、2011年にTBS「世界のスーパードクター」をはじめ、メディアでの紹介も多数。現在は、ドックベストセメント療法を広めるセミナーを各地で開催するほか、東南アジアにてボランティア活動を展開。2015年、ラオス・ヘルスサイエンス大学客員教授に就任。日本臨床アンチエイジング研究会会長、Kデンチャー研究会主宰。著書に『名医は虫歯を削らない――虫歯も歯周病も「自然治癒力」で治す方法』(竹書房)、取材協力に『安心』編集部・編 『歯周病を自分で治す最強療法』(マキノ出版)など。

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