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高橋篤史「経済禁忌録」

有力寺院、地検特捜部が捜査…巨額の寺院マネーめぐる「疑惑と人脈」、全容解明か

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 では、後任の代表取締役に就任したのはいかなる人物なのか。じつは件の70代男性はかつて上場企業の役員をしていた時期がある。それが東証2部に上場していたLCAだった。男性は都内で建設関係の会社を経営するほか、NPO法人の専務理事を務めているという触れ込みだった。LCAでの在任期間は09年2月から12年8月までのおよそ3年半に及んだ。

 当時、LCAはさまざまなブローカーらが入り込み、新株発行や社名変更、さらには本業と無関係な新規事業の発表を繰り返すいわば「ハコ企業」の1社として知られていた。09年5月には29億円に上る不動産現物出資による増資を行っていたが、のちにそれは水増し増資だったことが明らかとなり、同社は有価証券報告書の虚偽記載に問われ、金融庁から課徴金処分を受けている。結局、15年12月、LCAは上場廃止となった。

 件の70代男性がLCA退任後の14年6月に後任の代表取締役となった日本開発研究所は、その前後に都内のある会社を傘下に収めていた。それが不動産投資商品「みんなで大家さん」の販売を行っているみんなで大家さん販売(東京都千代田区)という会社だった。東京都庁に提出された宅地建物取引業の申請書類によると、日本開発研究所はみんなで大家さん販売の株式74%を保有し、件の70代男性は昨年6月から日本開発研究所とともに代表取締役を兼務している。

みんなで大家さん


「みんなで大家さん」はもともと兄弟会社の都市綜研インベストファンド(大阪府吹田市)が営業者となり07年9月に始めたものだ。みんなで大家さん販売はその販売代理人という立場である。商品は不動産特定共同事業法に基づき賃貸不動産を裏付け資産にして匿名組合方式で出資者を募集するというもので、これまでに30本以上が組成されてきた。会社側の募集案内などによると、出資者は約2000名、今年3月末の預かり出資金は約148億円に上る(一部の組合はみんなで大家さん販売が営業者となっていた)。

 みんなで大家さんの宣伝文句は、元本の安全性を重視し、これまでに一度も想定利回り(年6~7%前後)を下回ったことがないという点。しかし、運営実態は極めて杜撰といっていい。何しろ、都市綜研インベストファンドは所管の大阪府から2度も業務停止処分を受けており、とりわけ13年の2回目の処分では、紹介料や業務委託料の費用計上先送りで32億円もの債務超過を隠していたことが発覚した。そして、今日に至るまで水面下では元本の償還遅延が多発しているのである。

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