神明はコメの売り先の外食チェーンを囲い込む

 神明は米穀類の卸の最大手だ。07年6月、藤尾氏が創業家の4代目として社長に就任した。神明の転換点は三菱商事との資本・業務提携。10年4月、三菱商事は創業一族の藤尾家から議決権のある発行済み株式の17.07%を取得した。

 神明は第三者割当増資で資本金を5.8億円から22.2億円に増資。筆頭株主の藤尾氏の出資比率は36.56%に高まり、2位の三菱商事は13.42%に下がった(17年3月末時点)。

 三菱商事の後ろ盾を得た神明は、外食や中食分野に進出する。回転寿司の元気寿司を子会社にしたほか、居酒屋「和民」を運営するワタミ、サバ料理店の鯖や、キノコ大手の雪国まいたけに相次いで出資し、青果卸や水産卸を買収した。

 積極策が実り、17年3月期の連結売上高は前期比14%増の1824億円、営業利益は同15%増の50億円、純利益は52%減の23億円だった。今回のスシローGHD株の買い取りは、銀行からの借り入れで全額賄う方針だが、神明の有利子負債は800億円と倍増する。

 国内のコメ消費量が減るなか、元気寿司を軸にした回転寿司業界の再編は、藤尾氏の悲願でもあった。

 これまで12~13年にかけて、元気寿司の28%、かっぱ寿司を運営するカッパ・クリエイトに26%出資し、筆頭株主になった。両社の統合を目指したが破談。カッパ・クリエイトの株式は14年、外食大手のコロワイドに売却した。

「日本食を代表する寿司でコメの拡大につなげたい」と藤尾氏は語っている。

 スシローと元気寿司は、企業文化に違いがあるといわれている。統合の実を上げるためには、藤尾氏と水留氏の連係が欠かせない。
(文=編集部)

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