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宮永博史「世界一わかりやすいビジネスの教科書」

138年ぶりにそろう奇跡の名画三部作をみて、アップルがどれだけスゴいかを認識した

文=宮永博史/東京理科大学大学院MOT<技術経営>専攻教授

 しかしアップルは戦略を変更し、iPodを単なるおまけではなく、新たな製品として位置づけた。すぐに仕様を変更し、翌02年に発売した第2世代ではWindowsパソコンにも対応させている。マッキントッシュにとってWindowsパソコンは競合だが、iPodにとっては補完となるからだ。

 アップルは、その後、iPod mini、iPod shuffle、iPod nanoと次々にヒットを飛ばし、ついにiPod touchにまで発展させている。三部作どころではない。アップルはiPodシリーズで3連発はおろか5連発もヒットさせているのだ。しかも、iPodシリーズのあとはiPhoneシリーズ、さらにiPadシリーズと、新たなカテゴリーでもヒット3連発を実現している。まさに王道を行っている。

 新しいカテゴリーを切り開いても、一発屋で終わってしまってはもったいない。ひとつでもヒット商品を出すのは大変なことだ。しかし、そこで油断してはいけない。立ち止まってはいけないのである。いかにヒットを連発し、そのカテゴリーでリードを続けられるか、いわゆるカテゴリーキングになれるかが重要なのである。

 そのためにも、三部作は確かに重要なのだと、岡田美術館で「品川の月」「吉原の花」「深川の雪」の三部作を見ながら考えさせられた夏であった。
(文=宮永博史/東京理科大学大学院MOT<技術経営>専攻教授)

【参考文献】
1.歴史秘話ヒストリア、NHK、2014年3月5日放映
2.『カテゴリーキング Airbnb、Google、Uberはなぜ世界のトップに立てたのか』アル・ラマダン他(著)、集英社(2017/9/26)

宮永博史/東京理科大学大学院MOT<技術経営>専攻教授

宮永博史/東京理科大学大学院MOT<技術経営>専攻教授

東京理科大学大学院
経営学研究科 技術経営(MOT)専攻教授。東京大学工学部・MIT大学院修了。NTT、AT&T、SRI、デロイトトーマツコンサルティング(現アビームコンサルティング)を経て2004年より現職。主な著書に『ダントツ企業』『顧客創造実践講座』『世界一わかりやすいマーケティングの教科書』『幸運と不運には法則がある』『理系の企画力!』『技術を武器にする経営』(共著)、『全員が一流をめざす経営』(共著)、『成功者の絶対法則 セレンディピティ』などがある。

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