“成長”がうまくはまらず、夏クール満足度最低に沈んだ『セシルのもくろみ』

1710_cesle.jpg『セシルのもくろみ』

 一方、“平凡な主婦が一流モデルに”という成長物語でありながら、その成長ぶりに共感できないと満足度を下げてしまったのが真木よう子の『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)。満足度は3.09と夏ドラマ最低で、テレビウォッチャーのデータが残る2012年4月期以降のドラマ(プライム帯)で過去最低となってしまった。

 ここまで満足度を下げてしまった要因は「真木さんのべらんめえ口調がなじめなかった」(55歳女性)、「真木よう子、好きだけど、この役はなんか嫌」(47歳女性)など、ネガティブな意見を寄せている視聴者のほとんどが真木よう子演じる主人公のキャラクターへの違和感。そして「ストーリーにリアリティーがなく、がさつな印象しか残らなかった」(52歳女性)、「見ていて現実味がないのはキャステイングと設定に無理があるから」(61歳女性)、「主人公の人物描写が非現実的すぎて、今一つ入り込めない」(49歳男性)など、“リアリティー”について触れた感想も多く、そのネガティブな意見が中盤、終盤に差し掛かっても収まらなかったことが満足度を大きく下げてしまった要因となった。

 なお、ワースト2位は『僕たちがやりました』(フジテレビ系)で3.43。高校生たちの成長を過激に描いたことが賛否両論となり満足度は伸びなかった。ワースト3位は『警視庁いきもの係』(フジテレビ系)で3.45。ヒロイン橋本環奈のコメディエンヌぶりには女優としての成長を感じさせたが、全体的にゆるい作りが高い満足度にはつながらなかったようだ。

高満足度ドラマはわずか4作のみで、12年以来過去最低だった夏クール

 7月スタートの夏ドラマで、平均値が高満足度の基準3.7を超えた作品は『コード・ブルー』(3.98)、『過保護のカホコ』(3.78)、上川隆也主演の『遺留捜査』(3.73/テレビ朝日系)、『黒革の手帖』(3.72)の4本のみ。クール毎に放送されるドラマの本数にも関係するが最大で11本(15年秋。区切りが変則的なNHKドラマを除く)、前4月クールでも9本と、ここ最近はコンスタントに高満足度ドラマが誕生していたのだが、この夏のドラマは全体的に“不作”で元気のないクールとなってしまった。だが高満足度作品が最も多かったのは秋クールだったように、毎年秋は満足度の高い作品が多い“豊作”の時期。秋ドラマに期待だ。
(文=大石庸平/テレビウォッチャー主任研究員、ライター)

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