気になる点

 しかし、DVという暴力事件を、結果として加害者(=喬史)への暴力によって解決するというストーリーそのものには、少し疑問を感じざるを得なかった。菜美が知花にプレゼントした人形が知花の家のリビングに飾られており、実はその人形の目の部分にはカメラが仕込まれていて、そこには喬史によるDVや包丁で刺す場面も録画されていることを、菜美は喬史に告げる。その人形を渡すよう要求する喬史に対して菜美は暴力を加え、「動画をインターネットに晒されて、全てを失いたくなかったら離婚しろ」と迫り、喬史は折れるのだが、何か釈然としない。

 やはり疑問を感じるのは、DVは立派な暴力犯罪だが、そのDVを、同じく暴力によって解決するというのは、DVの解決策として適切なのだろうか、許されるのだろうか、という点だ。DVや包丁で腹を刺すという重い罪を犯した喬史が、社会的にはまったく罪に問われることがないまま、日常生活に戻るというのも腑に落ちない。さらに、無事に喬史に離婚をのませて帰路についた菜美は、笑顔で「気持ち良かったー」と口にするが、こうした一連のシーンは暴力の肯定と受け止められる懸念はないのだろうか。

 ドラマとしては見応えある出来に仕上がっているだけに、今後波紋を呼んでしまわないかが、気になるところである。
(文=米倉奈津子/ライター)

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