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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

アマゾン、日本で巨額の「税金逃れ」か…過去5~7年分の追徴課税の可能性

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 日本の税制は「居住地主義」である。法人であれば、日本に恒久的な活動拠点があるかどうかが判断の基準になる。たとえば、アメリカのA社が日本に法人を置かずにアメリカ国内から直接的に日本向けのビジネスを行う場合、A社の日本への納税義務は発生しない。しかし、A社が日本法人を設立したり日本国内にPEを設けて継続的に事業活動を行ったりすれば、納税義務が生じる可能性があるわけだ。

 アマゾンは、日本法人に関しては「物流施設のひとつであり、アマゾンが日本で直接的な事業活動を行っているわけではない」としてきた。

 これは、消費税についても同様だ。配送先が日本国内の場合は課税対象だが、電子書籍などのデータ販売については「サーバーがアメリカ・シアトルにある」という理由で、アマゾンは課税を逃れていた。それに対して、同じく電子書籍を扱っている日本の出版業界からは「不公平だ」という声が高まっていたのも事実である。

 そして、09年7月には東京国税局がアマゾンのアメリカ本社に対して約140億円の追徴課税を科していたことが明らかになった。しかし、アマゾン側の反発によって日米の税務当局間で協議が行われた結果、日本側の主張は退けられたという経緯がある。

 ただし、日本の国税当局は15年10月に「インターネット上のデータ取引であっても、日本で営業活動を行っている企業団体に関しては的確に徴税していく」と表明しており、今後は徴税の機運が高まることが予想される。

 また、16年4月にはアマゾンが日本に法人の実体があることを認めた。アマゾンでは購入者が商品の評価を書き込むことができるが、そのレビューの内容をめぐって、東京都内のNPO法人がアマゾンのアメリカ本社と日本法人に対して投稿者の情報開示などを求める訴訟を東京地方裁判所に起こしていた。

 その訴訟のなかで、アマゾン側は「日本語サイトの運営主体は、日本法人のアマゾンジャパンである」と認めて敗訴したのだ。それにともなって、アマゾンジャパンは巨額の無申告重加算税(無申告加算税に代えて課される重加算税)を追徴される可能性が生まれた。

 無申告で法人税を逃れていた場合、通常は過去5年、悪質性が高い場合は過去7年にさかのぼって重加算税および重加算税滞納による法定金利を科せられることになる。そのため、アマゾンジャパンは逃れていた税金を追徴課税で取り戻される可能性があるのだ。

 このように、これまで法の穴をすり抜けてきたグローバル企業に対して課税する動きが世界で強まっている。アマゾンは、もはや生活インフラの一部といっても過言ではなく、アメリカでは「アマゾンがすべてを飲み込む」という意味の「アマゾン・エフェクト」という言葉も生まれているが、こうした側面を知ることで、少し違った見方ができるようになるのではないだろうか。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

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