
先月29日に2年目の開幕を迎えたバスケットボールのプロリーグ「B.LEAGUE」、2019年にワールドカップの日本開催を控えるラグビーの「トップリーグ」、そして来年秋に卓球の「Tリーグ」も開幕予定。日本プロ野球やサッカーJリーグ、大相撲やプロゴルフなど、スポーツ全体からすればごくわずかな競技でしか存在しなかったプロスポーツ事業が、日本国内で存在感を増しつつある昨今(※トップリーグは企業の社員選手、プロ契約選手が混在)。
今年6月にはDMM.comがサッカーのベルギー1部リーグに所属するクラブ、イントトロイデンの株式の一部を取得。クラブ経営参画に興味を示しているという報道もあったように、今やビジネスとしてプロスポーツ事業に興味を持っている企業も多そうだが、実際にプロスポーツ事業を運営している企業はどんな狙いを持って運営を担い、その狙いはどの程度実現しているものなのだろうか?
日本プロ野球・横浜DeNAベイスターズと長距離陸上チーム横浜DeNAランニングクラブを運営、さらに卓球のTリーグへの参加にも名前が挙がるなど、プロスポーツ事業にやたらと熱心で、業績をあげているDeNA広報部田中氏に聞いてみた。
「11年12月にプロ野球界に参入させていただいたことから、私たちのスポーツ事業は始まりました。当初はブランディング、会社の認知度向上……テレビや新聞、ネットと、あらゆるメディアで社名を含めたチーム名が報道されることで、多くの方たちに私たちの会社、そして本業として行っているサービスの利用などにつながっていくという、広告宣伝的な部分をメリットとして考えました」
日本プロ野球に限らずかつての日本のプロスポーツや企業スポーツは、ごく一部の球団やチームをのぞけば、親企業の広告塔として存在に重きを置かれ、チーム単体としては赤字でも許されるような認識が存在し、横浜ベイスターズもTBSが経営していた時代は赤字が続いていた。ところが、11年には年間で約24億円もあった赤字を、横浜DeNAベイスターズはわずか5年で黒字に。その立役者・初代球団社長の池田純氏は16年10月に職を辞しているが、17年の観客動員数ではその16年をも上回るなど変わらず好調だ。。DeNAはなぜ、赤字体質からの脱皮に成功できたのだろうか?