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ヒラリー・クリントン、その腐敗の真実…なぜFBIは大統領選勝利を阻止したのか?

文=大野和基/ジャーナリスト

国民から嫌われていたヒラリー氏

『What Happened』の中で、ヒラリー氏はこう記している。

「メール問題についてのコミーの度重なる介入が私のモーメンタム(勢い)を弱らせた」

 9月12日に放送されたNational Public Radioで、ジャーナリストのレイチェル・マーティン氏がヒラリー氏に「アメリカの有権者のかなりの人が、あなたを信用していない。そしてドナルド・トランプはあなたに“Crooked Hilary”(心の曲がったヒラリー)との焼き印を押した。なぜ、あなたは自分の信用問題に真っ向から取り組まなかったのか」と聞いたところ、ヒラリーはこう答えた。

「取り組んだと思ったが、disorienting(方向感覚を失わせるもの)だった。でも、最初にバーニー・サンダース(上院議員)、そして持続的に強くサンダースの支持者によって打ちのめされ、さらにトランプによってやられて、その問題から打破することは本当に難しかった。でも私は勝利への道を歩んでいた。そして、投票日の間近になってコミー・レターと、ロシアのウィキリークスが大いに影響して、私の信用問題をまた疑惑にさらした。最後の11日間、それに反論しようとしたが難しかった」

 ロシアのウィキリークスというのは、彼女とジョン・ポデスタ氏(選挙対策責任者)のメールの内容が暴露されたことを指すが、その中でヒラリー氏は「国民は無知だから、“unaware”にしておくことが重要である」と本音を言っている。unawareは、「気づかせない」という意味で、企みや本音を隠したいということだ。ヒラリー氏は、自分たちの本音がばれたから信用がさらに落ちたと言っているが、国民からみれば投票前に本音がわかってよかったといえる。

 ブックツアー(著者のサイン会)中に、ヒラリー氏のサインをもらおうと書店に並んで同書を買ったライターのブライアン・レブランク氏は、ニュースサイト「The Slatest」のインタビューにこう答えている。

「国民は過去25年かかって、ヒラリー・クリントンに対する嫌悪の感情を醸成させた。だから多くの人はヒラリーを支持することができない」

 ヒラリー氏への国民の嫌悪感情は一夜にして生じたものではないというわけだ。それを棚上げにして、「コミー・レターがなければ大統領になっていた」というヒラリー氏の言い分は、まったくピントがずれている。

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