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大江英樹「おとなのマネー学・ライフ学」

お金を増やした人に共通する、「絶対にやらない」3つのこと…多くの投資家を見てきた結論

文=大江英樹/オフィス・リベルタス代表

 ところが、そういうことは頭でわかっていても人間には欲がありますから、「特別に良い話を」と言われると、つい聞いてみようという気になるのです。では、どうすればいいのでしょうか。それは、自分が相手の立場になって考えてみれば良いのです。「相手がこれを自分に勧めることによって、相手には一体どんなメリットがあるのだろう?」と考えることです。

 これは世の中によくある「無料サービス」でも同じことです。たとえば「保険ショップ」などは「特定の保険会社が運営しているわけではないので中立だ」と謳っていますが、相談料が無料だとしたら、一体何で儲けているのかを考えるべきでしょう。いうまでもなく販売した保険の会社から一定のバックマージンを得ているはずです。だとすれば、私なら一番取り扱い手数料の高い保険を勧めるでしょう。それがビジネスの常識というものです。無料というおいしい話につられないようにすることが大切です。

(3)無理をしないこと

 最後の“やってはいけないこと”、それは「無理すること」です。ただ、これはまったくリスクを取らずに安全第一でいきましょうということではありません。なぜならリスクを取らない限り、利益を得ることができないというのもまた、お金の真実だからです。

 したがってリスクを取るのは一向にかまいません。問題は過大なリスクを取らないということです。具体的に言えば、自分の持っている資産の中で価格変動があるリスク資産にどれぐらいお金を投資することができるかということ、これを「リスク許容度」といいますが、この「リスク許容度」を無視して投資をしてはいけないということです。マーケットが好調で株価が上がってくると、お金をさらにつぎ込みたくなってきます。その気持ちは理解できますが、調子に乗って自分で負える以上のリスクを持つのは感心しません。過去に投資で失敗した人たちの多くは、この過度にリスクを取ったことが原因です。

 またお金を借りて投資をするのも「無理をすること」です。信用取引というのはまさにお金を借りて投資することですから、FXのようにレバレッジがかかります。上がれば効率よく利益を得られますが、逆に少しでも下がると自分の出したお金は吹っ飛んでしまうことになりかねません。信用取引が悪いということではありませんが、レバレッジを掛けて投資をすることのリスクを十分承知しておかないと、思いがけずに大きな損で財産をなくすことになるかもしれないということを忘れてはいけません。

 これ以外にも細かいことで、あるいはテクニック的な部分で注意することはありますが、基本はこの3つと言って良いでしょう。小さな失敗を避けるのは難しいでしょうが、こうした基本的な原理原則を押さえておけば、大きな失敗をすることはないといっても過言ではないと思います。
(文=大江英樹/オフィス・リベルタス代表)

大江英樹/経済コラムニスト

大江英樹/経済コラムニスト

1952年、大阪府生まれ。野村證券で個人資産運用業務や企業年金制度のコンサルティングなどに従事した後、2012年にオフィス・リベルタス設立。日本証券アナリスト協会検定会員、行動経済学会会員。資産運用やライフプラニング、行動経済学に関する講演・研修・執筆活動を行っている。『定年楽園』(きんざい)『その損の9割は避けられる』(三笠書房)『投資賢者の心理学』(日本経済新聞出版社)など著書多数。
株式会社オフィス・リベルタス

Twitter:@officelibertas

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