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2023.07.02 13:37
2017.10.13 00:35
山田まさる「一緒に考えよう! 超PR的マーケティング講座」
もはや世界遺産?名古屋喫茶店文化の正体…朝から晩までボリューミーなモーニング付き
そして皆、ただ「お茶をする」「時間を潰す」のではなく、何かを食べながらおしゃべりや読書を楽しんでいるのである。良くも悪くも雑多で気軽な空間である。私から見れば名古屋の喫茶店は、お茶をするためのカフェというより、コンパクトながら食事、間食、お茶を楽しむ“軽食堂”なのである。
ケンミン食文化、それが名古屋でも香川でも博多でも皆共通しているのは、必ず食材や調味・調理方法、メニュー、サービスなどに、シンプルで際立つ特徴があるという点だ。それは地元県民にとって「こうでなければならない」「こうあるべし」という掟(おきて)のようなものだろうし、外から見れば奇妙にさえ映る「独特」の世界だ。しかも、その「独特」が、街の風景の中に溶け込み、すっかり染み込んでいる。つまり、「独特」と「お馴染み」が時間をかけて共存しているのが、優れたケンミン食なのだ。
最近、あるテレビ番組で讃岐うどんを冠にする「丸亀製麺」が、実は兵庫発の焼き鳥チェーンだった件が紹介され、ネットでは「そうだったのか」「本物ではない?」などと物議を醸したらしい。私に言わせてもらえば、出自がどうであろうと「独特」をしっかりと踏襲し、それぞれの街の中で「お馴染み」をつくることができるかが勝負なのではないかと思う。
複数のカフェやレストランを経営している外食チェーンの社長さんにお話を聞いたときに、「最終的な目標は、1店舗1店舗がその街の風景になること、その街の人たちにとって、なくてはならない店になることだ」とおっしゃっていたことを思い出す。そういう1店1店の集積が、ケンミン食文化をつくっているのだろう。
(文=山田まさる/インテグレートCOO、コムデックス代表取締役社長)
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