
10月10日、大晦日に放送される『NHK紅白歌合戦』に、小沢健二の出演が内定したと報じられた。ところが、各メディアが小沢の所属レーベルに確認を行ったところ、その回答は「完全に飛ばし記事」とのことだったそうだ。例年この時期になると、紅白の出演に関する報道が目立つようになるが、その内幕について関係者に取材した。
「まず紅白の出場歌手に関しては、NHK側がアーティストに『出場していただく』枠と、事務所やレーベルが『出演させていただく』枠で大きく分かれます。小沢の場合は完全に前者で、例年夏から秋にかけて、NHKは水面下でオファーに動くんです。長らく国内音楽シーンから遠ざかっていた小沢ですが、一般人だけでなく音楽業界、メディアと各方面にファンは多く、当然NHK内にも多くのシンパがいる。数年に1度のペースで行われているコンサートツアーにも、NHKは毎回花を送って“関係値”を築いていました」(レコード会社関係者)
また、事前に出演の“内定”情報が飛び出す原因についても、NHK側の思惑が関係しているという。
「オファーが行われる前の時点で、あえてメディアに情報を流し、アーティスト本人や関係者、また世間の反応を見ようとすることもあります。ただ、情報が事前に漏れてしまうことでアーティストがへそを曲げて出演を拒否する例もあるだけに、諸刃の剣でもあるのですが」(音楽誌ライター)
国内の大手レーベルに所属する小沢だが、活動方針やリリースに関してもすべてセルフプロデュースで行っているだけに、NHK側としても出演が叶うかどうかは未知数だったようだ。
「楽曲の原盤もすべて自身の個人事務所で所有し、多くのアーティストが結んでいる『年間最低●●枚のCDリリース』といった縛りも、小沢には一切ないと聞いています。しかし小沢は先日放送の『SONGS』に出演したこともあって、局スタッフが個人的な関係を築いている可能性もあるだけに、現状出演する可能性は五分五分といったところでしょうか」(同)
すべては小沢の気持ち次第といったところだが、こうした“極秘オファー枠”がある程度固まった時点で、今度はレコード会社による営業が始まるのだという。
「各社のプロモーターがNHKを訪れ、出演させたいアーティストをそれぞれ宣伝していくんです。そしてNHK内での“ドラフト会議”が行われるのですが、そこで初めて『今年の活躍』や『NHKへの貢献度』など、世間でも有名となりつつある基準が発動されます。しかし、これら以外にも当然『大物とのバーター』や『大手事務所の意向』、また『レーベル1社に偏りすぎない』など、いわゆる“大人の事情”も加味されます」(芸能プロ関係者)
出場歌手が発表されるのは、例年通りなら11月末頃。事前の内定報道を含めて、その裏側で行われている綱引き合戦に思いを馳せながら発表を待つのも、また一興かもしれない。
(文=編集部)