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鳩山元首相、安倍首相を猛烈批判…「北朝鮮の脅威を煽っている」「貧富の差を拡大」

構成=長井雄一朗/ライター 写真=尾藤能暢

――現在の内政については、どうご覧になっていますか。

鳩山 安倍政権は「強い国」を目指すということで、需要と供給の供給側を強くし、グローバリゼーションに基づいた経済政策を展開しています。

 グローバリゼーションは否定しませんが、方法論を間違えると貧困と格差の拡大を助長することになってしまいます。そのため、富裕層はより富み、貧困層はより貧しく、中間層が削られていく……それが今の日本の実態です。今や、貯蓄なしの世帯は全体の約3割にもなっています。

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 安倍政権は、「より自由で開かれたアメリカ的な市場経済が日本でも必要であり、それが経済において万能である」という思考です。しかし、その結果、日本の産業構造は大変ゆがんだものになってしまいました。確かに、グローバリゼーションによって輸出産業は好調ですが、日本の産業の多くを占める内需が非常に弱体化したことが問題です。今こそ、配分構造の変革が求められるときではないでしょうか。

 旧民主党政権時、弱体化した農家に対して「農業者戸別所得補償制度」を設けました。また、少子高齢化社会を迎えるにあたって、子育て世帯の負担を少なくするために「子ども手当」や「高校授業料無償化」を実施しました。多くの家庭に直接的に配分可能な仕組みを考えたのです。

 旧民主党政権では需要側を刺激する経済政策を行ったわけですが、安倍政権のように供給側を刺激する施策だけでは、貧富の差は拡大する一方です。

「北朝鮮のミサイルが日本全体をターゲットに」

――北朝鮮は日本も名指しで攻撃対象に挙げるなど、情勢が緊迫化する一方です。

鳩山 北朝鮮の核・ミサイル開発については、脅威がないわけではありません。しかし、ミサイルが発射されて、Jアラート(全国瞬時警報システム)で緊急情報を伝達したところで、どれだけの意味があるのでしょうか。

 まず、北朝鮮の目が向いているのはアメリカです。朝鮮戦争はまだ休戦状態であり、平和条約を締結していない以上、アメリカとの戦争状態は続いています。北朝鮮から見ればアメリカの核やミサイルは確実に脅威であり、アメリカに対抗するために核・ミサイル開発を進めているのです。最終的には、北朝鮮が優位なかたちで平和条約を締結するのが狙いでしょう。

 日本は、そのアメリカや韓国と同じ立場です。そして、国内に米軍基地があり、安倍首相が国連総会の場で経済制裁と圧力を強く訴えていることから、北朝鮮が日本に敵意を持つのも当然です。このままドナルド・トランプ大統領をサポートし続ければ、北朝鮮のミサイルが日本全体をターゲットにすることもあり得るでしょう。

 今、日本が行うべきことは暴発的な危機を煽ることではなく、アメリカと北朝鮮が直接対話しやすい環境をつくっていくことです。日本が仲介するかたちで、話し合いによる解決を促すことが大切です。

――ありがとうございました。

 次回は、中国が推し進めるアジアインフラ投資銀行(AIIB)や一帯一路、日中関係について、さらに鳩山氏の話をお伝えする。
(構成=長井雄一朗/ライター 写真=尾藤能暢)

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