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『先に生まれただけの僕』、棒演技の櫻井翔が存在感ゼロ…怪演の高嶋政伸に完全に食われる

文=米倉奈津子/ライター
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 そして、櫻井のセリフが終始上滑りで気持ちがこもっているように感じられず棒演技で、さらに脇役に荒川良々や木下ほうか、高嶋政伸といったアクの強い俳優が揃っていることもあり、櫻井の存在感の薄さが強調されてしまっている点は否めない。

 そんな第1話内で唯一印象に残ったのが、樫松物産専務・加賀屋圭介役を演じる高嶋の怪演だ。突然加賀屋に呼び出された鳴海は、加賀屋が鳴海を京明館高校へ飛ばした張本人であり、その理由が上にも下にも“イイ顔”をする鳴海が気に食わないからだと告げられる。

 そのシーンで加賀屋は、終始眉にシワを寄せた強烈な強面で、大声&ネチネチした物言いで鳴海を“口撃”する。まず、加賀屋の役員室に入った鳴海は、「加賀屋専務、鳴海でございます」と挨拶するも、加賀屋はそれを無視して郵便物をチェックしている。席に座った加賀屋はゆっくりと静かな口調で、目は怒っているのに口は笑っているという“怒り笑い顔”で、今回の人事は青森での功績を買ってのことだと告げる。それを受けて鳴海が「ありがとうございます」と言うと、加賀屋は突然机を“バーンっ”と強く叩き、ド迫力の大声で「心にもないこと言ってんじゃねーよ! 上にも下にも受けがよく、支店に回されてもうまく立ち回って結果出して、まあ会社にとっては使えるよな、お前みたいな奴は」とまくし立てる。

 続けて、鳴海をにらみながら「虫唾が走るんだよっ!」と吐き捨てたかと思えば、右手の拳を左手に“バチっ”と叩きつける。さらに、鳴海と同じく失脚した専務側についていたために次長から課長代理に降格されられた柳沢が入院していることを明かし、「駅のホームから落ちたんだとさ」と言った途端、「あはははは!」と笑い出す。最後に鳴海が意気消沈した面持ちで「失礼します」と退出しようとすると、加賀屋は再び不敵な笑みをたたえた“怒り笑い顔”で、「あーそーだー。問題起こしたら、責任取るのはお前だぞ、おわかりですね? 校長セーンセー」と変なイントネーションで言い放つ。

 もう、高嶋のやりたい放題ですよ。圧倒的なキャラと存在感で“パワハラ専務”を好演して、完全に主役の櫻井を食ってしまっている。

 そんな高嶋の“怒り笑い顔”と“はっちゃけぶり”を見られるだけでも、同ドラマは見る価値があるかもしれない。
(文=米倉奈津子/ライター)

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