連続テレビ小説『わろてんか』(NHK)の放送が3週目に入った。
終盤に視聴率と評判を上げた『ひよっこ』の後であり、ヒロインに知名度の低い葵わかなが起用されたことで不安視されたが、視聴率は20%前後をキープ。近年、王道パターンになっていた「偉人女性の一代記」「戦前戦後の舞台設定」に回帰したことも奏功して、今後に期待を持たせるスタートとなった。
1~2週の放送を見て感じたのは、「過去の朝ドラ名場面集」を見るようなベタベタでコテコテのシーンが多いこと。大河ドラマ出演の子役を起用、天真爛漫なおてんば娘、コワモテのがんこ親父、病弱な兄弟と死、偶発的で運命的な初恋、想い人がダメ男風、幼なじみがヒロインに片想い……。吉本興業の創業者・吉本せいさんがモデルの物語だけに、「とことんベタベタのコテコテでいこう」というスタンスなのではないか。
高橋一生の初登場シーンにヒントが
なかでも、9話で藤岡てん(葵わかな)が乱暴者たちに襲われ、縁談話のある伊能栞(高橋一生)が救出するシーンには驚かされた。まるで『水戸黄門』(TBS系)や『暴れん坊将軍』(テレビ朝日系)を見るような、けれんみたっぷりの立ち回りであり、しかも伊能は初登場。
驚いて口をポカーンと開けていたら、「えっ、都合がよすぎる? いえいえ、これがロマンスというものです」というナレーションが聞こえてきた。これは「『わろてんか』はベタベタのコテコテでやっていきますんで」という宣言だったのではないか。
今後、伊能はてんを支えるようになっていくというが、ここで思い出されるのが、『あさが来た』の五代友厚(ディーン・フジオカ)。伊能は五代と同様に、「好意がありながら恋仲にはならず、仕事の面でヒロインを支える」という王子様のようなキャラクターになりそうだ。
もうひとつ象徴的だったのは、店の経営危機というシリアスな局面なのに、家人たちがズッコケるシーン。「こんな局面ですら笑いを混在させるのか」と思わされたが、ここまでベタベタとコテコテなのは、意図的な仕掛けによるものだけではないだろう。プロデューサー、脚本家、演出家が、自分たちが考えている以上に過去の成功パターンを踏襲しているように感じるのだ。
恋敵と姑の“毒”が作品の出来を左右する
今後の放送で期待されるのは、人間の業をあぶり出すような展開。北村藤吉(松坂桃李)をめぐる2人の恋敵・秦野リリコ(広瀬アリス)と杉田楓(岡本玲)、姑となる北村啄子(鈴木京香)が登場し、てんにさまざまな試練をもたらしていくという。
現在放送中の京都編は藤岡家を中心にした牧歌的なムードだが、第4週からの大阪編は一変してシビアな世界観に変わる。厳しい視線や言葉をぶつける女性キャラたちが物語を盛り上げ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を騒がせるのではないか。
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