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三菱東京UFJ銀行の内紛…「三菱銀行」への改名説くすぶる

文=編集部

三菱UFJで見せつけた相談役・顧問の「院政」パワー

 今夏、三菱UFJフィナンシャル・グループの“内紛”が、金融界の話題をさらった。「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/7月29日号)は、特集記事『頭取を辞任に追い詰めた!?三菱UFJを牛耳る「影の権力者」の正体』を掲載した。三菱OBが「院政」を告発する内容だ。

 5月24日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱東京UFJ銀行(BTMU)の小山田隆頭取の退任が発表された。16年4月に頭取に就任したばかりで、1年での退任は異例だ。退任をめぐって、さまざまな情報が飛び交った。小山田氏が板挟みになって苦労していたといわれたのが、平野信行会長と永易克典相談役の対立だ。

「ダイヤモンド」によると、BTMU本店9階には応接室や会議室、役員食堂のほかに歴代頭取経験者の個室があるという。小山田氏の2代前の頭取である永易克典相談役、3代前の畔柳信雄特別顧問、4代前の三木繁光特別顧問、5代前の岸暁特別顧問、7代前の若井恒雄特別顧問の5人だ。すでに亡くなった6代前の頭取以外の“OB”たちが、銀行経営に影響を及ぼしている。

 同誌によると、BTMUが誕生して以降の頭取は三菱銀行出身者が独占。9階に個室を持つ特別顧問も全員が三菱銀行出身。東京銀行、三和銀行、東海銀行出身など外様の特別顧問は、旧東京銀行本店の日本橋別館に追いやれているという。9階の権力者と平野氏が行名変更で対立した。

「5月に発表されたBTMUの行名変更をめぐって、平野会長は『MUFG銀行』にする方針だったが、『三菱』の名前を外すことにOB会が大反発。結局、『東京』を外して『三菱UFJ銀行』に変更することで落ち着いた」(「週刊ダイヤモンド」記事より)

 三菱OBたちは「三菱」の冠に固執した。将来、UFJを消して「三菱銀行」に戻すことが狙いと取り沙汰されている。抗争の根柢には、金融庁が進める相談役の仕事内容や個別報酬の開示をテコに、平野氏が永易氏ら相談役の影響力排除を狙っていたとの見方がある。

 OBたちは猛烈な巻き返しに出た。平野氏と永易氏の対立の板挟みで、小山田氏が辞任に追い込まれたというストーリーだ。まさに、相談役・顧問の「院政」パワー恐るべしだ。

 東証の新制度によって、個室、秘書、社有車の三点セットを利用できる相談役・顧問の処遇を、どれくらいの企業が改めることになるのだろうか。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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