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ハムやソーセージ、赤い色の「正体」…強い発がん性の発色剤使用の商品も

文=郡司和夫/食品ジャーナリスト
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 しかし、亜硝酸塩はアミン類に反応して、ニトロソ化合物という強烈な発がん物質を生み出すことがわかっています。アミン類は人間の胃の中にも存在している物質です。

 亜硝酸塩添加の目的が、ハムやソーセージ、明太子などを発色させることにあるのは明白なのに、大手食品メーカーや添加物業界は、食中毒を防ぐのが目的と言い張っています。確かに、亜硝酸塩は殺菌力があり、特にボツリヌス菌の増殖を抑える効果があります。しかし、発がん物質を使って食中毒の予防をして、なんの意味があるのでしょうか。消費者の健康を考えれば、亜硝酸塩はとても使えないはずです。

 最近は、数は少ないながら、亜硝酸塩を使っていないハムやソーセージ、明太子がスーパーなどでも販売されています。しかし、ボツリヌス菌食中毒など、これまで1件も起きていません。新鮮な原材料の使用と原材料にボツリヌス菌が付着しないよう食品工場での衛生管理を徹底して行っているからです。亜硝酸塩など使わなくても、ボツリヌス菌による食中毒は防げるのです。

 過去にも、食中毒を防ぐという名目で多くの危険な保存料や殺菌剤が使われてきました。そのなかには、後に発がん性や遺伝毒性などの危険性が確認されて使用禁止になったものも数多くあります。

 たとえば、ロダン酢酸エチル、メチルキフトキノン、ソルビン酸ナトリウム(ソルビン酸カリウムは使用されている)、パラオキシ安息香酸セカンダリーブチル、サリチル酸、ラウリルトリメチルアンモニウム-2,4,5-トリクロルフェノキサイド、AF2(フリールブラマイド)、コウジ酸などです。

 いずれの添加物も強力な殺菌力があり、保存効果が上がるということで、豆腐、練り製品、お酒など、広範な食品に使用されてきました。AF2などは、厚生省(当時)の官僚が毒性のデータを隠して審議をして、添加物に指定しました。しかし、9年後に国立遺伝学研究所のカイコの実験によって、AF2は3代目になって先天異常が出ることがわかり、1974年に使用禁止になりました。

 このAF2をもっとも摂取したのは、団塊の世代です。その3代目というと団塊の世代の孫の世代にあたります。もちろん、動物実験の結果が人間にも当てはまるとは限りませんが、食中毒の予防ということで、とんでもない添加物を食べさせられてきたことは確かです。そして、それは亜硝酸塩の使用にも明らかなように、今日も続いているのです。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)

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