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グーグル、盗聴&本社にデータ送信騒動にネット騒然…AIスピーカーの潜在的危険性

文=編集部
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グーグル、盗聴&本社にデータ送信騒動にネット騒然…AIスピーカーの潜在的危険性の画像1Google Home(「Wikipedia」より)

 人工知能AI)を搭載したAIスピーカー(スマートスピーカー)が、日本で本格的に普及の兆しを見せている。

 AIスピーカーは、米アマゾン・ドット・コムをはじめとして、米アップル、米グーグルといった米国勢が先行し、日本でもパナソニックやソニー、LINE、NTTドコモなどが相次いで参入して巨大な市場が形成されつつある。

「スマートフォンの次はAIスピーカー」といわれるほど各業界が注目しているが、そんな成長基調に水を差すトラブルが起きた。

 グーグルが日本時間10月23日に発売する「グーグル ホーム ミニ」が、周囲の音を勝手に録音してグーグル本社のサーバーに音声データを送信するという不具合が明らかになったのだ。発売前にレビューを担当していた記者が不審な点に気づき、グーグルは調査の結果、バグだったと発表した。

 このニュースを受け、インターネット上では「本当に単なるバグだったのか」「グーグルは意図的に盗聴しようとしていたのではないか」「消費者の生活をのぞこうとしているようにしか思えない」といった懐疑的な声が世界中で巻き起こった。

 そこで、ネットセキュリティについて詳しいITジャーナリストの三上洋氏に、今回のトラブルについて見解を聞いた。

「今回のトラブルは、グーグル側に録音収集の意図はなく、偶然に起きたバグのように思えます。グーグルが音声認識の精度を上げるために録音したデータを、物理ボタンのバグにより、すべて送信してしまったかたちです。プライバシー侵害の意図はなく、今回に限っては事故といえるでしょう」(三上氏)

 本当にバグだったとしても、ユーザーの意図に反して録音されて音声データが送信されてしまうということは、決してあってはならない不具合だ。

 今回、欠陥を発見したのはセキュリティの専門家だったが、これを悪意のあるハッカーが先に知った場合はどうなっていただろうか。

「このような、メーカーが気づかない欠陥・バグは『脆弱性』と呼ばれており、すべてのソフトウェア・ハードウェアにあっておかしくないものです。実際に脆弱性をつかれた例としては、次のような例があります。

・インターネット経由で接続できるベビーモニターが、脆弱性を突かれて外部から乗っ取られた。まったく関係のない男の声が聞こえてきた

・スマートテレビが乗っ取られた

 このように、脆弱性によって常になんらかのプライバシー侵害の可能性はあるのです。特にAIスピーカーは、すべての音声を聞いていますから、仮に外部から乗っ取られるような脆弱性があった場合、あらゆる音声が流出してしまう可能性があります。常に起きるようなものではありませんが、そのような危険性があると考えておいたほうがいいでしょう」(同)

 では、AIスピーカーを利用する際には、どのような点に気をつける必要があるのか。

「私たちができることは、『常に最新版にアップデートする』『AIスピーカーは信頼できる事業者のものにする(アップデートをしっかり行う事業者)』という2点です。今回、グーグルは、異例ともいえる早さで対応しアップデートしたことは、信頼性を保つためだと思われます」(同)

 あらゆるモノがインターネットとつながるようになってきている現代において、どこから情報が流出するかわからない。ここで示された2つの留意点は、AIスピーカーに限らず身近な家電すべてにおいて気をつけておくべきだろう。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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