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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

金利0%の銀行預金は実質大損…確実に約10%の利回りを得ている人の簡単投資法

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー
金利0%の銀行預金は実質大損…確実に約10%の利回りを得ている人の簡単投資法の画像1「Thinkstock」より

投資をしたいけど、始められない人たち

 投資に関するセミナーやファイナンシャルプランナー(FP)への相談などでよく聞く悩みが、「投資をしたい、しなくちゃ、とは思うんですけど、なかなか始められないんです」というもの。友達が投資でもうけたらしい、老後のために投資をしたい、数百万円が普通預金に預けたままになっている。このままではよくない、と思っていても行動に移せない。理由はたぶん3つ。

金利0%の銀行預金は実質大損…確実に約10%の利回りを得ている人の簡単投資法の画像240歳で貯蓄400万円の人が、64歳まで年48万円を積み立て、その後年90万円を引き出す場合。インフレ利率と同じ金利(実質0%)で運用すれば、資金は81歳まで持つが、インフレ率が運用利率より2%高いと実質利率-2%となり、資金は76歳で底をつく。実質+2%なら97歳まで大丈夫。

(1)今、投資を始めなくても、別に困らない
(2)手続きが面倒だし、よくわからない
(3)何をどう買えばいいかわからない

 その通り。別に投資をしなくても、今は困らない。でも、はっきり言おう。今は困らなくても、将来困る。投資は将来のためだから。どう困るか。せっかく貯めたお金がどんどん目減りすることになる。

投資しないと増えない、だけじゃない

金利0%の銀行預金は実質大損…確実に約10%の利回りを得ている人の簡単投資法の画像3

 前回は、投資しないとお金が増えないとお話しした。でも、実は投資しないと減るのである。

 日本は1991年頃からずっと20年以上、物価が上がらない状態、つまりインフレがない状態を経験してきた。これは世界で日本だけ。世界中が驚いている。そんなときは、現金や預金の価値は減らないから、投資をしなくても全然困らなかった。

 でも、日本の経済が元気になって物価が少しずつ上がり始めたらどうなるか。ちなみに、筆者の自宅の近所には有名なたい焼き店があるが、7~8月の暑い盛りは店を閉じ、少し涼しくなって9月に再開する。ところが、この前まで1個125円だったのが130円になっていた。5年前は120円だから、じわじわ上がっている。

物価上昇率が2%で、貯金金利が0%だったら、貯金はどんどん目減りする

 物価が年2%上がるということは、1年でお金の価値が2%下がること。去年の生活費は年300万円だったけど、同じ生活をするには+2%の306万円かかるということ。これが10年、20年、30年以上続いたらどうなるだろう。

 40歳で貯金400万円の人が月4万円(年48万円)をずっと貯めていき、65歳から年90万円を引き出すシミュレーションをしてみた。物価上昇率が年2%で、預金金利が0%なら、実質の運用利率はマイナス2%となる。これと、物価上昇率と同じ利率で運用した場合(=実質金利0%)、物価よりも+2%で運用した場合の3つを比べてみた。

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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