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松崎のり子「誰が貯めに金は成る」

がん保険や医療保険の保険料、来年上がる公算…「健康年齢」に応じて同年齢でも保険料に差

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

 加入時には血圧や血中脂質・血糖値などの健診データの提出が必要で(同社のホームページ上でも試算ができる)、健康年齢が実年齢より若いほど保険料が安くなるのが売りだ。

 これまで、医療保険といえば年齢ごとに一律の保険料が適用され、一般的に年齢が高いほど金額も高くなるというのが常であった。そこに「健康年齢」という概念を持ち込んで、同じ年齢でも保険料に差をつけるという考え方だ。このタイプの保険は、今後もっと増えてくるだろう。

 この保険設計には、2つの意味がある。ひとつは、疾病リスクが少ない人を多く集めたほうが保険会社としては支払いを減らすことができ、安定収益につながるということ。もうひとつは、加入者がより健康を意識するようになり、定期検診の受診や健康増進に積極的に取り組むことで継続的に疾病リスクを抑えられるということだ。

 先に述べたような長寿社会にあって、「健康増進」は保険会社にとっても一大テーマだ。第一生命では健康増進アプリ「健康第一」によって、毎日の食事を撮影して送信するとカロリーや栄養に関するアドバイスが受けられるなどの契約者向けサービスも提供する。

 もともと健康体の人に加入してもらい、さらに積極的に健康維持に取り組んでもらえば生活習慣病を予防でき、結果として保険金を支払う回数が減ると想定される。保険会社にとっては、ありがたいはずだ。

 また、東京海上日動あんしん生命保険の医療保険「あるく保険」は、加入者にウェアラブル端末を貸与し、スマートフォンアプリとの連携で1日あたりの平均歩数目標8000歩が達成されたかどうかを判定する。そして、達成状況に応じて健康増進還付金(キャッシュバック)を支払うという商品だ。

 このように、「健康増進保険」というジャンルは競争のスタートが切られつつある。

疾病リスクが高い人は保険に入れなくなる?

 インステックによる保険の多様化は、ほかにもある。医療データの解析が進んだ結果、これまで保険の引き受けができないとされてきた条件の人でも、一部は加入可能と判断される例も増えてくるという。また、スマホやウェアラブル端末を利用して血圧などの健康データを蓄積し、予防医療に活用する取り組みも進むだろう。

 自動車保険にも、カーナビなどを通じて運転情報を収集し、安全運転のスコアが高い人ほど保険料を下げるなどの「テレマティクス保険」が今後は増えてくる。同様にスマホアプリの活用も進むだろう。

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
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