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病院へ通院「不要」に…自宅にいたまま遠隔医療が本格普及、高齢者や認知症患者の負担減

文=吉澤恵理/薬剤師
病院へ通院「不要」に…自宅にいたまま遠隔医療が本格普及、高齢者や認知症患者の負担減の画像1「Thinkstock」より

 現在の医療は、通院と往診の2つが主な受診パターンだ。これに加え、国は遠隔医療の普及を推進する流れにある。

 すでに大学病院を含むいくつかの医療機関で遠隔医療が実施されているが、まだ患者に広く周知されていないのが現状だ。遠隔医療について知ることは、医療の選択肢が増え、有益であることは間違いない。患者のための医療を追求し、早くから遠隔医療を取り入れている東京・四谷のブレインケアクリニック院長、今野裕之医師に話を聞いた。

遠隔医療は、患者にとってオプションのひとつ

「質の良い医療」とは、どのようなものか。

 緊急を要する場合や手術となれば、設備が整った医療機関が適当だが、慢性疾患などで定期的な受診による治療継続・経過観察をする場合は、なんといっても医師と患者の信頼関係が重要ではないだろうか。

 今野氏は、何よりも患者との信頼関係を第一に考えているという。多くの医療機関では、診察時間がわずか1~2分といわれ、患者の話をほとんど聞かないような医師も増えている。だが、今野氏は患者から十分なヒアリングを行い、患者が理解しやすいような説明を心がけているという。そのため、今野氏をかかりつけ医とする患者たちは、強い信頼を寄せている。その信頼関係ゆえに、今野氏の患者のなかには、仕事等の理由で遠方に引っ越した後も、遠隔医療によって受診を継続している患者もいる。

「信頼関係を重視する患者さんは多く、医療機関を替えてこれまでの生活習慣や過去の経過を新たに話すことに抵抗がある人もいます。また、精神疾患の患者さんの場合は、その日のコンンディションによって来院が困難になることもあります。しかし、そのようなときこそ診察したほうがいいのです。そこで、遠隔医療での受診が可能となれば、病状の悪化を防ぐのに非常に有効な手段だと思います。患者さんには、通院のオプションのひとつとしてご案内しています」(今野氏)

遠隔医療はアプリで手軽にできる

 現状、遠隔医療が広く利用されていない理由のひとつに、ハード面について知られていないことが挙げられるだろう。遠隔医療というネーミングが、難しい印象を与えてしまうのかもしれないが、実際にはいたって簡単だ。

 スマートフォンで、遠隔医療を利用するためのアプリをダウンロードするだけだ。代表的なアプリとして「CLINICS(クリニクス)」「ポケットドクター」「LiveCallヘルスケア」などがあるが、どのアプリも予約、診察、会計、処方までをインターネット上で完結できる。処方箋に関しては原本が必要となるため、患者の元へ郵送される。

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。福島県立医科大学薬理学講座助手、福島県公立岩瀬病院薬剤部、医療法人寿会で病院勤務後、現在は薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

吉澤恵理公式ブログ

Instagram:@medical_journalist_erie

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