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安心・安全のスバルブランド失墜…急成長の裏で不正横行、日産から不正の手口が伝承か

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今後の成長に影響も


 一方、スバルの吉永社長は、10月25日の東京モーターショーの報道公開で、日産の無資格者の完成検査問題や神戸製鋼所の検査データの不正について、「ものづくりは日本にとって大事で、信頼が損なわれていることは心配」と述べていた。スバルの無資格者の完成検査は10月3日には明らかになっており、吉永社長もこの時点で「(自社の不正を)認識していた」ものの、国土交通省とのやり取りが続いていたことから公表を見送ったと説明。日産や神戸製鋼を批判したことについては「自分の会社が不安の要素になっているのに忸怩たる思いがあるという気持ちだった」と釈明する。

 スバルの世界販売台数は10年前の2006年度が57万台だったが、16年度には106万台とほぼ倍増するほど、急成長を続けてきた。「現場が高負荷になっている」(吉永社長)としながらも、生産の急拡大による人手不足が不正につながったとの見方は否定する。スバルの完成検査員は10月1日現在で245人、今回問題となった無資格で完成検査を行っていた人は過去4年間で月平均8人、最大でも17人で「人手が足りないから(無資格者を)運用したのではない」(大崎執行役員)と言い切る。

 スバルは今後、無資格者が完成検査を行った可能性のある販売済み車両のうち、初回車検を受けていない車のリコールを実施する予定だ。対象は「レガシィ」や「インプレッサ」など、スバルが国内で製造している全モデルとトヨタ自動車向けに生産している「トヨタ86」など合計25万5000台で、費用として50億円強を見込んでいる。

 日産は無資格者の完成検査問題で国内向けモデルの生産と出荷を停止したが、スバルは問題が発覚後、無資格者を完成検査の業務から外したため、スバル車の生産・出荷は継続する。このため、業績への影響などは限定的と見られるものの、最大の問題はスバルブランドの毀損だ。特にスバルは「ぶつからないクルマ」と銘打った自動ブレーキシステムを業界に先駆けて実用化、安全・安心のブランドとして確立して販売を伸ばしてきた。それだけに品質問題でブランドに傷が付けば、今後の成長に影響するのは必至だ。

「成長に全体の力が追いついていない。(今回の問題で)改めて出直し、足元を見つめなおして企業としての実力を高めるしかない」(吉永社長)とするスバル。急成長、急拡大の根幹の部分に付いた傷を修復するのは容易ではないかもしれない。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)

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