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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

惨敗の小池百合子氏は、戦略を誤った日本企業の典型…なぜ日本国民は安倍政権を信頼?

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季

「ご存知の通り現在日本は北朝鮮の核に脅かされており、その状況も考慮して今後のかじ取りを託す政党や候補者を選ぶことを有権者は求められました。そのような状況下では森友学園、加計学園問題のような一部の国内の事象への関心よりも、不安定な国外情勢において総合的で安定的な政策判断ができる内閣を有権者は信頼し、期待した結果が今回の議席数ではないでしょうか」(同)

 麻生太郎副総理兼財務相が選挙戦の大勝利について、「北朝鮮のおかげ」と発言したのも、適切かどうかは置いておいて、本音なのは間違いなさそうだ。このような情勢下、苦戦する野党のなかでも、企業でいうところのブランドイメージを著しく損なったのが小池百合子東京都知事率いる希望の党だ。

「周囲に味方の少ない状況にもかかわらず都知事に当選した実力からもわかる通り、小池さんはグリーンのイメージカラーを前面に押し出したり、有権者目線で話をしたり、本来政治家としてのブランディングが得意な人でした。ですが、今回の『排除』発言のクローズアップで、小池ブランドを大幅に下げたことは間違いないですね。これは、社長の失言で世間の反感を買い、ブランドイメージを損なう企業と同じパターンです」(同)

 一方、そんな野党のなか、立憲民主党の躍進も。

「Twitterのフォロワー数が政党の公式アカウントのなかで最多になるなど、SNSを巧みに使ったことと、党首の枝野幸男さんが訴えた『草の根』的選挙戦が、トップダウン的イメージをつくろうとした小池さんとは対照的で、国民に寄り添うボトムアップ型のイメージを有権者に印象づけられたことが奏功した印象です」(同)

 党によって明暗が分かれた選挙戦だったが、情勢にうまく乗れた、もしくは「党ブランド」をしっかり主張できた政党や候補者が笑う結果となったといえそうだ。これを考えると、政治家もこと選挙戦においては、一般企業のマーケティングを参考にしてもいいのかもしれない。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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