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そもそもケータイ小説とは何か。その問いから前回は、まずケータイ小説というのは「なんとなくポエム的な体裁」をとるものである、という話をした。今回はその続きとして、「じゃあそのポエムっていったい何なのか」と、「ポエムがケータイ小説で果たす役割とは何か」、を考えてみたい。
ポエムとは「なんかふわっとした言葉」。
「ポエム」とはなんだろう。
言葉の本来の意味はもちろん「詩」なのだが、ことネット上において、「ポエム」というのはもはや「詩」を意味しない——そう言っても過言ではない気がする。じゃあ何を意味するのかというと、抽象的な言葉、「なんかふわっとした言葉」という程度の意味あいが強いのではないだろうか。少し前のことだが、ビジネス系メディアには、こんな記事が書かれたこともある。
・自己陶酔な方へ、「ポエムの対義語は自虐です」 ネットにポエムを書きまくる4つのグループとは?
>何かを語っているようで何も語っていない抽象的な言葉が、政治やビジネス、ネット、J-POP界隈に蔓延している。(上記事より)
「何かを語っているようで何も語っていない抽象的な言葉」。それが、この記事が示す「ポエム」であるようだ。ボードレールが聞いたらブチギレるかもしれないが、ネットスラングとしてのポエムとpoèmeは違うんだということで許してもらうほかない。