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片田珠美「精神科女医のたわごと」

山尾志桜里の精神構造…不倫疑惑相手を顧問起用、「自分は特別な人間」という強烈な特権意識

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 だが、こういう考え方は日本ではなかなか受け入れられない。したがって、山尾氏が日本で政治家を続けたいのであれば、少なくとも世間の空気を読むべきだったと思う。ほとぼりが冷めてから倉持氏を政策顧問に起用する選択肢もあったはずなのに、なぜこのタイミングなのかと首をかしげざるを得ない。

 うがった見方をすれば、たとえ同じ部屋で一夜をともにしたと報じられても、相手が事務所の政策顧問なら「政策に関する相談をしていた」と言い訳できるという読みがあるのではないかと疑わずにはいられない。

欲望に忠実な生き方

 もしかしたら、山尾氏は自分の欲望に忠実なだけなのかもしれない。自分の欲望に関して譲歩せず、欲望に忠実に生きた典型がギリシャ悲劇のヒロイン、アンティゴネーである。

 アンティゴネーの生き方を、フランスの精神分析医ラカンは称賛している。精神分析では、抑圧された欲望が回り道を通って表に出たのが症状だというふうにとらえるので、自分の欲望に関して決して譲歩しないのは、ある意味あっぱれだからである。

 ラカンは欲望の掟に従うことを「美」とみなしており、世間の掟に従う「善」と対比して、アンティゴネーを「美」の極致とまで評している。もっとも、自分の欲望に関して譲歩しないのは、なかなか難しい。欲望に正直に生きようとすれば、わがままとか自分勝手とそしられ、激しく叩かれる。

 欲望がかき立てるのは「パッション(passion、情熱)」だが、この言葉には「受難」という意味もある。文字通り、欲望の掟に従って生きるにはそれなりの覚悟が必要であり、それがないのなら世間の掟に従うほうが、むしろ楽ということだ。

 結局、アンティゴネーは岩穴に生き埋めにされてしまったが、それだけの覚悟が果たして山尾氏にあるのだろうか。
(文=片田珠美/精神科医)

参考文献
Jacques Lacan : Le Séminaire VII. L’éthique de la psychanalyse. Seuil. 1986

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