――二番煎じを避けるために多角的に取り上げようと?

林 そうですね。ネットのレビューには総合的な内容で一つひとつの問題を深堀りしていないという意見もありましたが、私の意図としては、高齢者に関する仕事をするような専門家に向けて書いたわけではなく、現状高齢者問題に直面していない人に、さまざまな事例でこんなにも困っている高齢者がいるんだよ、と知ってもらいたかった。

――確かに、このような章立てによって、多くの人が当てはまる、もしくはいくつか当てはまるような内容になっていると思います。

林 そうですね。だから「私は普通のサラリーマンだから関係ない」ではなく、誰しもが老後についてしっかりと考えるべきだと思います。

不安のない老後を過ごすには

――では、まだ老後が先に控える世代が今のうちにやっておくべき対策は、どんなことがあるのでしょうか?

林 若い人の場合は、公的年金に頼らないという認識を持って、少しずつ準備をしておく必要があります。私の場合、たまたまではありますが、35歳くらいのときに生命保険会社の個人年金に加入していました。ただその年金を支給できるのは60歳から69歳までの10年間なので、最近70歳から15年間支給される別の個人年金にも加入しました。今は不景気なので利率がそんなによくありませんが、これがだいぶ助かるんです。そういった商品は利用したほうがいいでしょうね。国に頼っていてはダメ、ということです。

――では、定年が近づいている世代は?

林 私は、定年を過ぎても70歳くらいまでは老後資金を貯めるべき、と考えています。ある調査では、高齢者の身体能力は10年前に比べて11歳も若返っているんだそうです。そして、もう少しすると日本人の平均寿命は90歳にも届くといわれています。60歳で定年退職しても、あと30年あるんですよね。なので、まだ働ける70歳まではしっかりとお金を貯めると。4、5年前は定年後の第2就職先はあまりなくて、あってもブルーカラー的な仕事が多かったのですが、最近は労働力不足から高齢者を活用しようという動きがあり、ホワイトカラー層的な仕事も増えるとともに、再雇用契約を延長するケースも出てきています。

――やはり、自分の老後は自分でしっかり考えなくてはいけない、ということですね。では最後に、この記事を読んで高齢者問題や本書に関心を持った読者に、メッセージをお願いします。

林 本の内容は暗く滅入ってしまう部分も多いと思うのですが、こういった問題から目を逸らさずに、現実を見据えて、今後の人生の生き方の参考にしていただきたいですね。

――本日はありがとうございました。
(取材・文=武松佑季)

情報提供はこちら
RANKING
  • ジャーナリズム
  • ビジネス
  • 総合