
筆者は自他共に認めるコーヒー好きです。いや、コーヒー好きでした。というのも、突然5~6年前からコーヒーが飲めなくなってしまったのです。友人の中の、口さがない連中などは「KIYOさんは一生分のコーヒーを飲んじゃったんだから、もう飲まなくてもいいでしょってことなんだよ」と無責任なことを言いますが、当の本人にとっては結構センシティブな問題です。したがって、今は「コーヒー好き」とは言えず、「コーヒー好きでした」と言っております。未練たらたらなのです。
こんなことになる以前は、1日に少なくとも3杯、多い日は4杯、5杯と飲んでいました。ほとんどは自分で淹れていました。そのため、飲めはしませんが、今でもコーヒーを淹れるのには自信があります。

「飲めなくなった」と言いましたが、実際には飲めます。飲めますが、その後、ひどい目に遭うのです。夜中に胃のあたりが痛み、七転八倒するのです。いささかオーバーな表現ですが、痛みで目が覚めてしまうのは事実です。ひとり寂しくお湯を沸かして、痛みに耐えて、ゆっくりとお湯をすすり、それでも治まらない時は小さく切った昆布を食べたりします。それで、しばらくすると痛みが軽減するので、また寝るというようなことをしばらくの間繰り返していました。
何人かの知り合いの医師にも聞いたのですが、原因はとんとわからず、結論として「どこかが痛くなるようなことはしないほうがいい」という、愛情のかけらも感じられない答えでした。アレルギーなのではないかという説もありましたが、そんなことはもうどうでもよく、ただひたすらコーヒーが飲みたい衝動が起こった時に耐え忍ぶだけという惨めな日々を送っています。ちなみに、コーヒーを飲まなければ、夜中の痛みは起きません。
筆者の場合は、「とにかくコーヒーが飲みたい」という強い衝動が起こるだけなのです(それでも本人にとってはつらいわけです)が、いわゆるカフェイン中毒とは違うようです。
常時カフェインを摂取していると、体にはカフェイン耐性が起きます。カフェインに対して反応しにくくなるのです。そのため、もっとカフェインを欲するようになる。これが依存症の始まりですが、まるで麻薬と一緒です。そして、カフェインを断つと頭痛がしたり、極度の眠気に襲われたり、精神的に不安定になったり、集中力が低下したりと、さまざまな症状が出ることがあるようです。