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浜田和幸「日本人のサバイバルのために」

ホーキング博士「人類の残り時間はあと100年」…北朝鮮の核脅威で900年短縮か

文=浜田和幸/国際政治経済学者

「言葉のミサイル」が本物の核弾頭の打ち合いに

 実は、ホーキング博士は昨年2016年の11月の時点では「人類には他の惑星への移住を完了するまで1000年の時間的余裕がある」と述べていた。ところが、それから1年も経たずして、「残された時間は、あと100年」と大幅な修正を下したのである。ということは、昨年末から半年ほどの間に起こった事態に原因があるということだ。

 その意味では、北朝鮮の核実験やミサイル発射実験はホーキング博士の未来予測を大きく変えさせたに違いない。トランプ大統領と金委員長との「言葉のミサイル」が本物の核弾頭の打ち合いになる可能性が高い、ということであろう。

 あるいは、北朝鮮の核保有をアメリカが認めることになった場合、韓国や台湾、そして日本も核保有の道を歩むことになる。いわゆる「核兵器の拡散」というドミノ現象が広がり、なんらかの人為的判断ミスや操作ミスによって、地球全体が核爆発に飲み込まれる恐れも大きくなったということであろうか。

 と同時に、ホーキング博士の懸念は人工知能(AI)にも及んでいる。「シンギュラリティ」と呼ばれているが、AIが人間を凌駕する時代が間もなく到来する可能性が高い。この分野の第一人者と目されるイーロン・マスクによれば、「2030年には人類はAIに価値判断を委ねるようになる」。欲望の虜になりがちな人間に任せていては、地球環境は悪化するばかりで、紛争や戦争も絶えない。人類全体の幸福や地球全体の生存を考えた時、AIの出番となる、というわけだ。

 しかし、ホーキング博士の見方は懐疑的である。AIが自ら価値判断を下すようになれば、生身の人間では生存できない劣悪な環境下でもロボットとしてAIは生き残れるので、いずれ生んでくれた人類に見切りをつけ、AIの社会や国家を目指すようになる。そうなれば、人間に勝ち目はないだろう。そうしたAIの天下が現実のものとなる前に、人類は安全に暮らせるより良い環境を求めて他の惑星に移住する道を進むべきだ、というのが同博士の主張である。

ビル・ゲイツの危惧

 ホーキング博士に限らず、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も人類や地球の行く末に関しては危機感を露わにしている。同氏は毎年のごとく、未来予測を公表しているが、最新版を見ると、「人類の未来は未知なる危機との闘いの連続」で、「このままでは、人類の生存は危うい」とのこと。

 特に注目すべきは、「地球温暖化の影響で、氷解した凍土から死んだ動物の病原菌が復活し、かつてのスペイン風邪のような猛威を振るい、億の単位で人命を奪う」との未来図だ。18世紀から19世紀にかけまん延した病原菌が再び人類に襲い掛かる恐れが出てきた。

浜田和幸/国際政治経済学者

浜田和幸/国際政治経済学者

国際政治経済学者。前参議院議員、元総務大臣・外務大臣政務官。2020東京オリンピック招致委員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士

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