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東京ヤクルト、なぜ最下位でも観客動員が激増? 神宮球場の「魅力」

取材・文=武松佑季

実績をあげて明治神宮も企画に前向きに

 もちろん、球団としての取り組みはそれだけではない。「仕組みづくり」「販促活動」「ファンベースの拡大」という集客に必要な3つの要素を企画立案の軸に、これまでもチケット発券、購入システムを大幅に変更したり、人気マスコットのつば九郎を全面に押し出したイベントの開催、東京都内の小学生に無料で観戦してもらう活動も長年続けており、今年は年間で小学生とその保護者あわせて3万人を神宮球場へ招待するなど、球団の仕掛けは多い。

 その苦労もあって、東京ヤクルトの今年度ファンクラブ有料会員数は2013年度の約3倍にジャンプアップ。それが集客にも反映しているかたちだ。

 観客増員の恩恵は興行収入だけでなく、球団の企画の実現性も高めている。繰り返しになるが神宮球場は東京ヤクルトの持ち物ではなく、明治神宮の所有物だ。球団だけで勝手なことはできない。だが客が入ればもちろん所有者もうれしい。だから、これまでやりたくても許可が出づらかったようなイベントも、集客が上がるならと、所有者側が首を縦に振ってくれるケースも増えているはずだ。

「結果的に球場の売上に貢献できれば、お互いウィンウィンの関係でいられます。なので、近年は球場さんも我々の提案した企画を前向きに検討してくれるようになったというのはあるかもしれませんね」(同)

 東京ヤクルトの営業企画グループは、今まさに来シーズンの準備に向けて佳境を迎えている。来シーズンに実施されるイベントや、来シーズンの観戦ルールやシステムづくりは、11月いっぱいでおおよそ固まるからだ。2018年はどんな企画でファンを楽しませるのか、また、その立地を生かしてどれだけ野球に興味のない人を神宮に引きつけるのか。来年も注目だ。
(取材・文=武松佑季)

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